野獣

□ひょんすん
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赤く染める










『あああああああああ…!
 私のチャン・ヒョンスンがぁ…』


「あべのチャン・ヒョンスンになった覚えない」




午後1時のBEASTの宿舎にて。
確かに。私とヒョンスンは付き合っているわけではないね。そうなんだよね。でもね一応友達だしなんてたって私の片思い中の相手なわけで、こんなことされては困るんだぜ。





『最近人気上がって来たからって
 こんなんやり方が酷すぎないか!?』


「よくわかんない、
 いいじゃん髪赤くしたって」




チャンヒョンスンは髪の毛を赤に染めた。いやいやいやいやそんなこととかじゃないです。大事件です。地球揺れました震度6。特に私の家一番揺れました震度6。


ヒョンスンは自分の髪の毛を摘んで眺めている。唇を尖んがらせて「んー」と考える姿は萌える。いや燃える。



『めちゃくちゃ似合うもん』


「うん、知ってる」


『めちゃくちゃ似合う』


「うん、知ってる」


『私も赤に染めようかな?』


「エッ」


『え?なに?嫌なの?』


「嫌じゃないけど…」


『けどなによ』


「なんか恋人みたいじゃん」





私はその一言で一気に無口になった。なんか傷付いた。確かに恋人じゃないからうん、やる必要はない気がするな。ヒョンスンが髪の毛赤くしたから自分もって確かに友達がやることじゃないな。ああ言わなきゃ良かった。ヒョンスンこっち凝視してくるし。





『私、帰る』


「えなんで」


『いや、特に理由はないけど、』


「変なこと言っていい?」


『え?』





申し訳ないがヒョンスンはいつも変だ。それ以上変になられてはこちらとしても手に負えないだろう。私は玄関に向かっていた足を止めてヒョンスンを眺めていた。スタスタとこちらに歩いてくる。


なんか、緊張する。








「赤に染めるんだったら
 俺の彼女になって」


『は…?』


「だから、
 染めてよ」


『…彼女?
 か!彼女ってあの、
 あの、恋人の彼女!?
 え?彼女!?誰の!?』


「だから俺の」






私は目を見開いてヒョンスンを見上げていた。私は赤に染めればヒョンスンの彼女になれるということ?絶賛片思い中のチャンヒョンスンの彼女になれるってこと?






『…チャン・ヒョンスン、
 好きです、
 すみません大好きです』


「じゃあ赤に染めてね」








こうして私の髪の毛は赤くなりました。







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