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□HAPPY BIRTHDAY
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ギグァン、HAPPY BIRTHDAY!
生まれてきてくれてありがとう。
わたしはその言葉を携帯で打っている最中、眠ってしまった。
携帯を握りしめて眠っていた。
「もも〜もも〜!」
ギグァンの声がする。わたしはゆっくり目を開けた。目の前にはギグァンの顔。ああきたんだ。
『…ギグァンだ』
「今日僕の誕生日!」
ギグァンは顔を指差してアピールしている。わたしは上半身を起こした。目をこすって"知ってるよ"と呟いた。
なにを言ってるんだろう、おめでとうメール送ったはずなのに。
「おめでとうも言ってくれないの?」
『はあ?失礼だけどイ・ギグァン氏、わたしあな』
わたしは片手に持っている携帯をみつめた。二度見した。
文章が"生まれてきてありが"で止まっていることに気がついた。
わたしは心の中でパニックを起こしていた。
けれど表情には出ないように歯を食いしばった。
「なに」
ギグァンは嫌そうな顔をして携帯を覗き込もうとする。
わたしはそれを上手く阻止してベッドから出た。
『ご飯食べなきゃ』
どうしよう、わたしおめでとうも言えてない。言うタイミングがわからない。ギグァンは頬を膨らませてついてくる。
そりゃあむかつくだろう。
わたしも自分がむかつく。
メール送ろうかな?
でも近くにいるんだから直接言ってあげたい。
いろんな思いが混じり合う。
洗面所につくと顔を洗って歯磨きをした。ギグァンは隣にいる。
怒っているとゆうか悲しい表情をしていた。
「…僕もう帰るね」
ギグァンは腕時計を確認すると呟いた。わたしは"あぁうん"しか言えなかった。
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