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□キスの勇気
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ヨソプは自分の頬を指差している。
ジェスチャーで言う、キスしてということらしい。




『え〜?』

「ちゅーして〜」

『しょうがないな』










わたしは仕方なくヨソプに近づき仕方なく頬にキスをした。
そして仕方なく呟いた。
















『はい』


「はい」







ヨソプは次に自分の唇を指差した。
口にもしろと。
そういいたいのですね、ヤン・ヨソプ氏。







『いいよ遠慮しとく』

「遠慮しないで」









ヨソプはニッコリ笑っていう。
なんてやつだヤン・ヨソプ。
遠慮は大切なんだ、人間として!

ヨソプはわたしの顔をみて再び自分の唇を指差す。
わたしはため息をつきながら斜め下の床を見つめていた。





「もも?」

『遠慮しとく』

「だから」

『自分から!自分からするなんて絶対無理!キスすることがどうゆうことか、あんた分かってるの!?ヤン・ヨソプ!わたしキスなんてしたことないんだから!』












わたしは熱くなって叫んでいた。
ヨソプは口を開けてわたしを呆然と見上げている。
そのあとヨソプすぐに表情を変えた。
ニヤリと口角を上げている。







「へ〜そっか」







ヨソプはニヤリとしたまま。
わたしはゆっくりと頷いた。

ほんとは言うのが恥ずかしかったがキスの経験がなかった。
これを馬鹿にされたのだろう。
彼の顔は完全にわたしを見下している。











『大丈夫。わたしはあの超〜人気アイドルグループBEASTのヤン・ヨソプくんとキスがしたいなんて
思ってないから。』

「僕は超〜庶民派の可愛い〜けど怒ると怖いももとキスがしたい」







怒ると怖いとか余計。
わたしはヨソプを睨んだ。
ヨソプはニヤニヤしたまま








「もも、ほんとはキスしたいでしょ?」







なんて言ってくるから、少しイラッとした。
ヨソプはまだニヤニヤしている。








『あーはいはい。そうゆうことにすれば?』

「じゃあキスして」

『やだ』

「なんで」

『やだ』

「僕からしてもいいの?」










なぜヨソプがこう聞くか。
この間、ヨソプにキスをされそうになった時があった。
その時わたしは感極まって泣いてしまったのだ。
自分でも自分が"キモい"と思った時だった。


でも考えてみて下さいな。
あのBEASTな可愛い担当のヤン・ヨソプくんの顔面が目の前に…。
そう考えるだけで泣ける。











『はぁ…キモい…』

「えっ…ごめん!
…でもキスしたいって思うのは彼氏として、普通の気持ち?ってゆうか通常?常識?健全?
いや健全ではないけ」

『じゃなくてわたしが…キモい』

「…え」













ヨソプはわたしの顔を覗き込む。
ごめんよヨソプ。
こんなのが彼女で。
ああ悲しい。





「ねぇもも。」

『ん?』

「優しくするから…キスしていい?」



『……うん、』










ヨソプの温もりを感じた。





end.

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