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□お父さん
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「服着替えて」
「うん〜」
「ご飯食べて」
「うん〜」
「歯磨きして」
「うん〜」
「靴下はいてって…、
お前は子供かっ!」
ドゥジュンがついに叫びだした。わたしは苦笑いをしていた。
「なんで俺がお前の面倒全部みてんだよ!」
ドゥジュンは靴下をわたしの顔面に投げてきた。
んまあ!ひんどい!女の子に靴下…いや彼女に靴下投げるなんて!
「ひっどーい!」
わたしは靴下をドゥジュンの顔面に投げた。ドゥジュンの眉毛がピクっと上がったのをわたしは見逃さなかった。
わたしは急いでドゥジュンの肩にかかっている靴下を取ってなにもなかったかのように履いていた。
「おい、もも。
俺はお前の何だ?」
ドゥジュンがわたしの顔を覗き込みながら言う。
その答えはひとつ。
「…お父さん」
するとやはりドゥジュンが襲い掛かってきた。
わたしは靴下をつま先ぐらいまでしか履けていなかったのに、ドゥジュンに押し倒された。
「ぎゃああごめんなさい!
うそうそ!うそだって!」
わたしは慌てて叫びだした。
ドゥジュンはニヤニヤしている。気持ち悪。ゴリラが笑ってる!←
「じゃあなに」
ドゥジュンはわたしを押し倒して腕を掴んだまま言った。
「彼氏…」
「じゃあ自分のことは自分でやれ」
「うん…」
あーあまたドゥジュンに説教くらった。お父さんみたいにしてくるのはあなたの方でしょうが〜
ていうか説教くらわせられたとこもお父さんみたい…
「もも起きて〜」
「うん〜
体が起きない〜」
「だから自分のことは自分でやっ…」
ドゥジュンがわたしの部屋にきたとき既にわたしは、
両腕を上にあげてドゥジュンを待っていた。
「だからもも…」
「ドゥジュン〜」
わたしはかわいこぶって言った。彼にこんなのは効かないと知っていたが。
「…」
わたしは目をつむっているから分からないがドゥジュンはなにも言わない。なにか堪えてるのだろうか。
「ドゥジュンがいないと起きれない〜」
今度はかわいこぶらないで言った。ドゥジュンはほんとにわたしに必要な存在だ。(お世話係として)
「わ…わかったよ…負けたよ…」
ドゥジュンが近づいてくる。
わたしは片目をうっすら開けてドゥジュンをみた。
ドゥジュンはまた負けたみたいな顔をしている。
そしてわたしのベッドの隣に座った。
「ドゥジュン?」
ドゥジュンはわたしのおでこに優しくキスを落とした。
やっぱりお父さんがいなきゃだめみたいです。
(彼氏なんだけどな…男なんだけどな…)