テニスの王子様

□いい夫婦の日〜四天宝寺〜
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「お前が光の何を知ってんや!」
「っさいわ!お前だって財前の全部を知ってるわけやないやろ!」

朝、部室に入ったら謙也とユウジが言い合いをしていた。話を聞く限り、財前の事やな

はっ、アホらし…と思いつつ、この2人ならいつまででも喧嘩しそうやったから、オレの足は2人に向かって進んでいた

「コラコラ、喧嘩すんなや。ほら、2人共落ち着きぃ」

まだ納得してない様子だったが、反抗したら後が怖い事を(身を持って)知ってるから、2人共ここは諦めた
全く…財前の事になるとすぐ喧嘩するんやから……

「アンタはオカンっすか」
「お、財前。はよー」

小さく溜め息をついた時、財前の声が後ろから聞こえた。振り返れば、そこには不機嫌な財前がおった

「何や財前、えらいご機嫌ナナメやな。どないした?」
「あの先輩等ウザい。それだけっすわ」
「あー…まあ、大変やな。いつでも相談にのるでぇ」

そう言って頭を撫でてやれば、ちょっと嫌そうな顔をしたが拒まんでくれた
今日も頑張り、そう言えば「っす…」と返事をしてロッカーへ向かった。オレも着替えんとな、そう思ってロッカーに向かえば、部室のドアがスゴイ勢いで開いた

「っしゃー!!間に合ったでぇ!!」
「金ちゃんはしゃぎ過ぎばい…」

どうやら、金ちゃんと千歳が来たみたいや。いや、それよか…

「金ちゃん、ドアは静かに開けろと何度言ったら分かるんや?」

金ちゃんの後ろにまわり、肩を組んで左腕を見せながらそう言うと、金ちゃんはおもろいくらい飛び跳ねた

「嫌やー!毒手は勘弁や白石!!」

なぁーんて千歳の後ろに隠れて千歳のジャージをギュッと掴みながら言うから、ちょっと笑ってしまった。ごんたくれな金ちゃんでも、こんなもんに怖がるんやから

「白石、ごめんなさい…」
「分かればエエんよ、金ちゃん。さあ、準備しぃ」

オレからの許可が降りると、今度はさっきと違う意味でおもろいくらい飛び跳ねた。ホンマ、可愛ええな

「白石は皆の母親たい」
「は?」
「白石は四天宝寺テニス部のよき母親たい」

いや、そんなニッコリとした笑顔で言われても…
母親?確かに、皆の事はホンマの家族や思っとるけど…母親になったつもりはないで

「何言ってんや千歳、オレは母親やなくて部長や」

そう言ってロッカーを開けて着替えを始める。千歳もこっちに来て着替えを始める

「あ…白石が母親はいかんばい!」
「どっちやねん…」

訳が分からへん…
いったい千歳はオレの事どない思っとるんや

「白石は俺の嫁さんたい!!」
「はぁっ!?」

いきなりデカい声で何言ってんや千歳!!ちょっ、抱きつくなや!!

「あ、アホ!!何してんねん!!」
「白石〜好きぃとよ〜むぞらしか〜」
「っ……バカ…」

今日も元気に千歳の妻をやってます…



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