FF零式 捧げ物・頂き物
□相互記念
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甘い香が部屋の中に充満している。
「美味そうだな」
後ろから吐息が私の耳をくすぐる。
別に狙ってやってるわけではないはずなのに、どうしてこうも恥ずかしくなるのか。
「キング、チョコクリームすきでしょ?」
「ああ」
後ろの気配が遠くにいったのがわかる。
それが少し残念だなんて。
「キ…」
振り向いたら、ちゅっと口づけ。
「…気配消すなんてずるい」
「でも、うれしいだろ?」
「…意地悪」
ちょっと口を尖らせると、また啄むような口づけが降ってくる。
「クリーム、溶けちゃうよ」
「そしたらケーキじゃなくてお前につけて食べればいい」
「キングのばか」
二人で笑って、ちょっとこづいて。こづかれて。
「好きだ」
「私も」
今日はあなたとの記念日でした。