Shining Hearts
□先手必勝!
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レイは普通通りに生活していて、普通通りにお昼を食べているときのことだった。
「ヒック、ヒック」
「大丈夫か、レイ?」
「無理…、ヒック」
「水でも飲んでみたら?」
「試したけど、ダメだっt、ヒック」
というわけで、リックとネリスはしゃっくりを止めるときに使う『マデラの豆知識』とかいろいろ試してみたのだが、どれも全く効か
ないのだった。
「あぁ!!もうそろそろ配達に行かないと間に合わない!」
「うそだろ!?もうそんな時間か?」
「リック、ネリス、…ヒック、先に行ってて
いいよ」
「でも…」
「大丈夫、私もしゃっくりが落ち着いたら、
そっちに向かうから、…ヒック」
「じゃ、先に行ってるよ」
「暫くの間、お留守番頼んだよ」
「行ってら〜、リック、私は何歳の子供のつもりかな?(黒笑)、…ヒック」
「黒いオーラがしゃっくりで相殺されてるよ」
「ちっ、まぁ先に行ってて」
そうして、二人は出かけて行った。
「収まるかなぁ〜、…ヒック」
無理そうだなと思いながらも、水を飲んだりチャレンジするレイなのであった。
結局おさまらず、めんどくさくなったレイ。
すると『コンコン』とドアを叩く音が聞こえた。
「(リックたちかな?)はーい!今、開けるね、ヒック」
『ガチャ』とドアを開けると、目の前にいたのはなんと、厳つい顔をした海賊たちだった。
「お!別嬪なねえちゃんだなぁ。まぁいい、ここら辺に『ネックレス』をした女の子が流れつかなかったか?」
「(カグヤのことかな…?)いえ、私は見てはいませんけど」
「そうか、世話掛けたな」
「こちらこそ、お役に立てなくてすみません」
「いやいや、十分役に立つぜ。これからな!!」
そう言うと、海賊Aはレイに襲いかかってきた。
「(これはかなりマズイ!!誰か助けて!)」
まぁ、そんな願いも届くことはないと思ったレイは、自分の武器を取りに帰ろうとしたところ髪を引っ張られ、その海賊に捕まってしまった。
「結構可愛い反応してくれるねぇ〜」
「いや!!離して!」
「誰がはなs「その手を離してくれるかい?」ひっ」
いつの間に来たのか、ラグナスがレイと海賊の間に入り、海賊ののど元に剣を当てていた。
『けちょん』
あっという間にけちょんけちょんにされた海賊たちは「覚えてろよ!!」とよくありがちな吠え方をして帰って行った。
「大丈夫だったかい?」
「ふぇ、ラグナス、怖かったよ!!!!!!」
レイはあまりの恐怖のため、ラグナスに飛びついてしまった。
「よしよし、そういえばレイはなんで、一人で留守番していたんだい?」
「実はしゃっくりが止まらなくて、お留守番していたらあいつらに襲われた」
「そうか…。ところでしゃっくりは止まったのかい?」
「あいつらのおかげで止まったわよ!」
「嬉しくなさそうな物言いだね…」
「嬉しくはないでしょ!!」
「まぁ、レイに何もなくてなによりだ。もし何かあったら僕は彼らを…(黒
笑)」
フフフと笑っているラグナスを見たレイは
「ラグナスのその笑いは何!?最後らへんが聞き取れなかったから余計怖いわ!!」
「そんなことはないよ」
「そうかなぁ〜?まぁいいか!とりあえずラグナス、何かお礼させてくれない?」
「何でもいいの?」
「高いものはなしだよ!あとは…なんだろう」
そう考えているとラグナスの整った顔が目の前にあった。
そして唇にはやわらかい感触が。
「先手必勝かな」
「な、なにすんのよ///」
「何ってお礼をいただいただけだよ」
「私が言ったのはあくまで『モノ』のお返しであって、こういうのではなかったの!!」
「でも別にレイは僕のことは好きだろう?」
「うっ」
「なら別に問題ないじゃないか」
そう言ってもう一回ラグナスはレイに近づいた。
End