詩女神六姉妹

□もっと私に甘えなさい
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「リュディア…」

と私を呼ぶ声
私には三人の姉がいるからその内の誰かなんだけど
その声は、一発でわかる
私たち六姉妹の中で一番低い声
美しい女の人のアルトの声

「ちょっと、こっちに来なさい。リュディア」

「はい、イオニアお姉さん」

長女のイオニアお姉さんだった

そして呼び出した内容と言えば簡単で、ただ一緒にお茶をしたかったとか…

「フフフ、お茶ならいつもみんなでしてるじゃないですか」

「そうね、でもたまにはリュディアと二人きりでお茶をしたかったのよ」

「それはドーリアお姉さんとじゃないのですか」

「確かにドーリアともいいけど、リュディア…貴女ともしたくなるときがあるのよ」
と言いながらイオニアお姉さんは、お茶を啜るとまた口を開いた

「貴女は上に三人も姉がいるし、下にも二人妹がいるけど、もっと甘えていいのよ」

「えっ…」
何か心の中にずっと仕舞いこんでいたものを引っ張り出された気がした

「いつもニコニコしてロクリアとアイオリアの面倒をみてくれるのは嬉しいし感謝してるけど、姉妹の中で一番我が儘を言わない貴女が私は心配よ」

「そんなっ…私は十分甘えさせて…」
不思議と涙が溢れてきた

「ドーリアといい、貴女といい自分を抑えすぎなのよ」
そういうと今度は私を抱き締めた
「イオニアお姉さん…」
ギュッとイオニアお姉さんの服を掴むとイオニアお姉さんは口角を最大限まで上げた

「フフフ、リュディアは賢いけど、不器用ね…」

「そんなこと…ないです」

「あら、そんなことあるわよ」
イオニアお姉さんは、先ほどより強く私を抱き締めた

「なら、こうしてたまには私に甘えて来なさい」

とちょっと意地悪気にイオニアお姉さんが笑った
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