童話

□メルヒェンの楽園[→side:Elisabeth→]
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……そして…幾度目かの復讐のページは開かれる…

白い大地に 軽い足取りで
描かれた軌跡 罪の道標
貰った人形 抱き締めたまま
招かざる客を連れながらも
少年は笑った

廻るように 浮かんでくる
愛しい母上 すぐそこに
夢幻の果てに 手を伸ばす様に
扉に手を掛けた

そして…彼の現実は朽ち果てる…

少女が小さく 溜め息をする度
胸の痛みが 春を遠ざける
鳥籠の中でも 夢は見られる
愛を知った日の
温もり忘れない

眠るように 沈んでいく
愛しい世界 井戸の底に
夢幻の果てが 手を招く様に
扉は開かれた

そして彼女の現実は砕け散る

ねぇ…メル。その楽園では どんな花が咲くの?

ねぇ…メル。その楽園では どんな鳥が歌うの?

ねぇ…メル。その楽園では 体はもう痛くないの?

ねぇ…メル
その楽園では ずっと一緒にいられるの?

ねぇ…メル?

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