11/02の日記

23:25
twitterにて
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twitterの診断にて
「あなたは6時間以内に1RTされたら、年の差のある設定で浮気と勘違いして喧嘩する輝二と遥の、漫画または小説を書きます。」
でRTを頂きましたので書いてみました。

Ifのお話です。
本編とは何ら関係がありません。
都合上デフォルト名を使います。



簡単な設定↓↓

・遥ちゃん→4歳
・輝二君→24歳の大学病院内科勤務の研修医

・遥ちゃんの両親が生きています。
つまり弓弦君は関係ありません。


以上のことが嫌だなと思った方は、華麗なUターンでお帰りください。






************



小さな俺の同居人が、今朝から口を利いてくれない。
身の丈ほどのテディベアに抱き着いてムスッとしているばかりだ。
今日は珍しく俺も遥も休みなのに…。


「遥。」
「…。」
「…今日はどこにでも連れて行ってやる。
どこに行きたい?」
「や。」


手を伸ばしてもペチン、と叩かれて拒絶される。
手に走る痛みなんてほぼ無いが、胸を抉る痛みは想像を絶する。
ぷい、と背けられた顔に、俺は溜息を吐いた。
さっきからこんな感じだ。流石に辛い。

俺がこの子供を引き取ったのは、つい半年前だ。
こいつの両親が遅すぎる新婚旅行に行っていて、俺が預かることになったのだ。約1年ほど。

ペットを友人に預けるのなら分かるが、普通自分の子供をたかが友人に預けるか?

と、当の本人たちに言えば。


『遥は体が弱くてな。海外には連れていけないんだよ。』
『ほら、私たち駆け落ちして結婚してるでしょ?だから両親を頼るわけにもいかなくて。』
『ま、医者のお前に預けるのが一番安心だと思ったんだ!仕送りはちゃんとするからさ!』
『お願いね、源君!』


何がお願いだ。何が源君だ。
都合の良い時だけ頼りやがって。

確かに毎月必要以上に仕送りはされてくる。
株だか何だかで儲けたあいつは、今や企業の社長並みの財力を持っているのだ。
ただでさえ忙しい研修医に、余計なこと押し付けんなっつーの。ったく。

とまあ、愚痴るのはこの辺にしておこう。
今は遥のこの状態についてだ。

ことの発端は…というより、今回のことは完全に俺が悪い。
昨日の夜中だった。病院からヘロヘロで帰ってきて、小腹が減っていた俺は冷蔵庫に入っていたプリンを食べてしまったのだ。遥のプリンを。


「遥ー。」
「…。」
「はーるーかー。」
「…。」
「…プリン食ったのは悪かったって、な?
だから許してくれよ。」
「や。」


遥はそういうと、テディベアに抱き着く腕に力を込める。
力が籠りすぎて熊が苦しそうだ。


「遥ー…。」
「…。」


また溜息が漏れる。
俺は立ち上がってキッチンに行き、携帯を取り出して電話を掛けた。
勿論相手は、俺に遥を預けた張本人。時差?知るかそんなもん。


『もしもしー?』
「俺だ。」
『なんだよ、こっちは夜中の2時なんだぞー?』
「知るか。おい、お前らいつ帰ってくるんだ?」
『あ?あと半年は日本に戻らねえぞ?言っておいたよな?』
「…やっぱり遥のこと迎えに来い。俺には無理だ。」


溜息を洩らし前髪をかき上げる。
俺の言葉に電話の向こうの相手は、驚いたように理由を聞いてくる。
それを適当に流して今一度迎えに来るように言えば、左足に重み。
見れば、遥が俺の足に抱き着いていた。


「遥?どうした?」
「…やぁ…。」
「遥!?」
『おいてめえうちの娘に何s』


電話の向こうの声を無視して通話を終了させる。
しゃがんで遥と目を合わせれば、声色のとおり遥は泣いていた。


「遥、どうした?腹でも痛くなったのか?」
「やぁ…!」
「やぁって…それだけじゃ分かんねえだろ?」


遥はぐずぐずと泣いて、俺に抱き着いてくる。
おいおいどうした、いつもはこんなことしねえだろ。


「お前俺のこと怒ってたんじゃないのか?」
「一緒、いたいの…!!こーじと一緒…いたいの…!!」


嗚咽に混ざった言葉に、俺の思考は停止する。
どうやら、電話の内容を聞いていたらしい。


「プリンも、もういいからぁ…!!
良い子に、っ、するからぁ…!!」
「遥…。」
「帰ってくるのも、まっ、待ってる、っからぁ…!!
起きて、待ってるからぁ…!!」
「それは駄目だちゃんと寝なくちゃ駄目だぞお前が倒れたら俺がお前の父親に殺される。」


ひっくひっくと嗚咽を漏らす遥の肩をがっしりと掴む。
服の袖で涙を拭えば、その手を取られ、不安そうな目で真っ直ぐに見つめられた。


「ここに、いてもいい…?」
「…当たり前だろ。寧ろお前の方こそいいのか?
プリンのこと、許してくれるのか?」


顔を覗き込みながらそう問えば、遥はコクンと頷いた。
俺は小さく笑ってその頭を撫でる。
それに安心したのか、遥はまたその目に涙を溜めて俺に抱き着いてきた。


「…よし。プリン、買いに行くか。」
「一緒に…?」
「おう。」
「…行く。」


ぐし、と涙を拭って遥は顔を上げる。
その小さな体を抱き上げて、俺は財布をポケットの中に入れた。




プリン喧嘩事件、発生


(胸に疼くこの感情が、)

(厄介なものになるまでもう少し―。)








――――――


喧嘩になってないですね申し訳ありません。
もしかしたらもう何個かうpするかもしれないです。







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