05/15の日記

11:24
お題交換B
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これはTwitterでお世話になっているフォロワー様の協力の元書かせていただいたものです。

フォロワー様の特定、及び迷惑行為は厳禁です。

モン×人です。
キス描写ありです。

苦手な方は回れ右でお願いします。





ちょっとした設定

主人公はデジアドでの選ばれし子供。
太一さんたちと同い年。
パートナーはドルモン。
最終進化系はドゥフトモンで、今回出てくるのはドゥフトモンメインです。

時間軸は02が終わった2年後。
主人公高校1年生。


以上のことを踏まえてどうぞ。↓↓





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ベリアルヴァンデモンが去り、この世界にもデジタルワールドにも平和が戻って来た。

それでも闇の力がもたらした影響は大きい。

及川悠紀夫のお蔭でそれほど酷いものにはならなかったけど、それでも復興には沢山の手が必要だった。

デジタルゲートが開けるようになって、私たちもデジタルワールドに赴き手伝ったりもしていた。

私たち人間が出来ることは、デジモンのそれと比べると極々僅かなものだったが。

その甲斐もあってか、今のデジタルワールドはほぼ元通りだ。



「…。」



デジタルワールドにも季節がある。
今は夏。私たちの冒険が始まった季節だ。

強い日差しに大きな雲。

青い空は見ているだけでも心が晴れるようだった。


空はデジタルワールドでも人間界で見るそれと同じだ。



「…話があると呼び出したのはそっちでしょう。」



思い出すのは昨日のメール。

ドルモンからのメールで「デジタルワールドに来てほしい」という、拙い文章だった。


暑さで滲む汗を軽く拭って空を見上げれば、ぽつんと1つの黒い点が見えた。

あれは、と思って見つめていると、その黒い点は段々大きくなってこちらに近づいてくる。

一歩後ろに後ずされば、私の目の前にそれは降り立った。



「主様、お待たせして申し訳ありません。」
「…ドゥフトモン、」



驚いた、と胸を撫で下ろせば、ドゥフトモンは私の前で跪く。

そのまま自然な動作で私の手を取り、きゅ、と握った。



「主様、しばし俺に時間をください。」
「それは構わないけど…」



いったいどうしたの、と聞く前にドゥフトモンに抱き上げられる。

反射的に彼の首に手をまわせば、あっという間に横抱き。俗にいうお姫様だっこ。

恥ずかしいからやめろとどれだけ言っても、ドゥフトモンはこの抱き上げ方意外しない。

諦めにも似た感情で甘受していれば、ふわりと飛び上がった。


眼下に広がるデジタルワールドの大地。

それはあっという間に小さくなって、上空であるからかひんやりとした空気が頬を撫でた。



「寒くはありませんか?」
「平気よ。それより…どこに行くの?」
「今しばらくお待ちください。」



見える彼の横顔はいつもよりも嬉しそうだ。
何をするつもりなのかしら。

冷えてきた体を、ばれない程度にドゥフトモンに摺り寄せた。



「ここです。」
「え?」



ゆっくりと高度を下げていくドゥフトモン。
じわり、と熱い空気が私の体を包んでいく。

ぶわり、と吹いた風に目を閉じれば、ドゥフトモンがそっと地面に降りたのが分かった。

恐る恐る目を開けて、私は息を呑む。

私の目の前には、一面の向日葵の花が咲いていた。



「これ…、」
「主様が好きだと言っていたので、人間界から種を頂きました。」
「覚えていてくれたの…?」
「当たり前です。」



これ全てを育て上げたと言うのか。
言葉を失い、私はただその光景を見つめていた。



「主様。」



ドゥフトモンに呼ばれて顔を向ける。

そこには真剣を絵に描いたような表情の彼が、私を真っ直ぐに見つめていた。



「申し訳ありません、先程の言葉を撤回させてください。」
「撤回?」
「俺はさっき、『しばし時間をください』と申しました。」



私をここに連れてくる前か。
確かにドゥフトモンはそう言っていた。

それをどう撤回すると言うのだろうか。私が小首を傾げれば、ドゥフトモンは私を抱え直す。

ドゥフトモンは片腕に私を乗せた。

彼の顔が、私の下にある。
ドゥフトモンを見下ろしていれば、彼はもう片方の手で私の頬に触れた。



「…こんな事を言うなんて烏滸がましいということは、重々承知しています。」
「…。」
「ですが、」



そっとドゥフトモンの唇に人差し指を当てる。

彼は驚いたように目を見開いたあと、オロオロとし始めた。


私はこの子の言いたいことが分からない程、鈍感でもない。
可愛げがないと自分でも思う。



「ドゥフトモン、その前に私の願いを聞いてくれるかしら?」
「…?」



ドゥフトモンは無言でコクン、と1つ頷く。

私はそれに小さく笑みを零して、人差し指を外した。



「…あなたのこれからの時間を、私にくれないかしら?」
「!!」
「…駄目?」



眉根を下げて小首を傾げる。

ドゥフトモンは目を見開いて、私の言葉にぶんぶんと顔を左右に振った。

その目には薄らと涙が溜まっている。

泣き虫だなぁ、なんて笑ってその涙を拭えば、その手をドゥフトモンに取られた。



「…良いのですか?」
「それは私の台詞よ…?」
「主様…、俺は、貴女が思っているよりもずっと…!!」
「だーめ。貴方の悪口は、たとえ貴方自身が言ったとしても許さないわ。」
「っ、…申し訳ありません…。」
「うん、許してあげる。…ドゥフトモン、約束よ。」
「はい…。」



貴方の『これから』を私と共にすること。
私の傍に居ること。


こつん、と額と額とぶつける。
ドゥフトモンは甘えるように、私の頬に手を添えた。



「主様、」
「…ん、」



熱い吐息に目を閉じれば、唇にそれ以上の熱を感じる。


これが私のファーストキスだと知ったら、彼はどんな反応をするのかしら。



ひまわり畑と約束



向日葵の花言葉

「憧れ」「崇拝」「熱愛」「光輝」「愛慕」

そして、


「私の目はあなただけを見つめる」







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