04/28の日記
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お題交換A※BL注意
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これはTwitterでお世話になっているフォロワー様の協力の元書かせていただいたものです。
フォロワー様の特定、及び迷惑行為は厳禁です。
BL注意です。
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×月×日未明、都内のとある公園で女子高生の変死体が発見された。
第一発見者はその公園をジョギングしていた、近くに住む33歳の男性会社員。
死因は鉄パイプのようなもので殴られたことによる脳挫傷。
傷は死因となったもの1つだけではない。
体中には鉄パイプのようなもので殴られたような打撲痕があった。
両腕、両足、他にも肋骨や更には骨盤の骨も折れていた。
傷は何も体だけではない。
女子高生だと言うことが分かった要因は、被害者の着ている制服と、持ち物の中に生徒手帳があったからだ。
彼女の顔は、見るも無残なものになっていた。
司法解剖によると、彼女は体中鉄パイプで殴られた後に頭を殴られ殺されたらしい。
顔をぐちゃぐちゃにしたのは、殺した後ということだ。
怨恨による他殺。警察ではそうみて捜査に乗り出した。
そして捜査線上に浮かびあがった1人の男子高校生。
彼は殺された被害者の恋人だった。
名前を栗花落恭平(つゆりきょうへい)。
栗花落、と言えば化粧品やら何やらで売り出している会社の名前だ。
調べれば彼はその会社の社長の御曹司。
そんな彼は付き合っていた被害者の彼女と最近上手くいっていなかったらしい。
彼は元来強く言えないタイプだったらしく、金を集り始めた彼女には辟易していたようだ。
動機は十分。任意で引っ張って来ようという時だった。
「俺があのじょしこーせーを殺しましたー。」
そう言って自首して着たのは、栗花落恭平の通う学校の制服を着た長身の男だった。
彼の名前は不知火宗助(しらぬいそうすけ)。
警察内は騒然とした。
今まで何のマークもしていなかった男が自首してきたのだから。
しかし、話を聞かなければ何も始まらない。
我々は彼を取調室に案内して話を聞くことにした。
「神様を信じる?」
それ以外、彼は何も話さなかった。
神様とはなんなのか。
彼を調べても宗教に入っていたと言うような情報は出て来ない。
幾つかの不可解な点を残して、事件は収束するかに思えた。
だが事態は一変する。
「刑事!!」
「何だ?」
「先日の女子高生の変死事件なんですが…。」
「ああ、あの神様がどうのって言ってたやつの。」
「それが…真犯人が見つかりました…!!」
「何!?」
報告されたのは真犯人が見つかり、逮捕されたと言う事。
しかもその真犯人は自首してきた高校生の父親だと言うじゃないか。
決め手となったのは、以前から捜索を続けていた凶器が見つかったこと。
その凶器には真犯人の指紋が付着していたらしい。
その指紋が不知火宗助の父親のものと一致したという。
不知火宗助の父親は犯行の否認を続けているが、事件当日のアリバイが無い。
それに加えて、彼自身がアルコール中毒だと言うことも入れると、酔った勢いでの犯行ということで間違いないだろう。
ここで1つ疑問が残る。
どうして不知火宗助は自分が殺したと嘘の自首をしたのか。
ソファに座って俺の隣で項垂れている不知火宗助を横目に入れて考えていた。
「不知火!!」
「…栗花落、」
パタパタと入って来たのは、一番最初の容疑者、栗花落恭平。
不知火宗助は栗花落恭平の声を聞くと顔を上げた。
「お前、また親父さんの言いなりになったのか!?」
「うるせえな、しょうがねえだろ…。」
「ちょ、ちょっとすまない。言いなりってどういうことか…教えてくれないか?」
息を切らして不知火宗助の元に駆け寄って来た栗花落恭平。
彼は少し躊躇った後口を開いた。
「…こいつ、父親に暴力振るわれてて…、」
「虐待ってことか…。」
「おい栗花落!余計なこと言うなよ!!」
「だって…!!」
栗花落恭平はそう言うと不知火宗助の服の袖を捲る。
そこには目を逸らしたくなるような内出血の跡があった。
「おい!!」
「こんな事されて…犯人に仕立て上げられそうになってるのに、黙ってるなんて変だよ!!」
不知火宗助は慌てて袖を下ろす。
その姿に合点がいった。
虐待をされていたから、あの親父に言われて濡れ衣を…。
こいつが言っていた神様って言うのは、父親のことだったのか…。
ったく、歪んでやがる…。
「刑事さん、今日は俺がこいつを連れて帰ります。」
「ああ、分かった。送って行くか?」
「平気です、家の車で来ていますから。」
「そうか、分かった。」
栗花落恭平はそう言って不知火宗助の腕を取って立ち去る。
怠そうについて行く不知火宗助の後ろ姿を、俺は複雑な気持ちで見つめていた。
**********
警察を後にして車に乗り込む。
ぱたん、と扉を閉めた瞬間、隣にいた奴に押し倒される。
思い切り抱きついてくるそいつの頭を、ゆるりと撫でた。
「きょーへー、きょーへーきょーへーきょーへーきょーへーきょーへー!!」
「少し離れろ。」
肩を押し返すがそれでも抱きつく力は弱まらない。
髪を引っ張れば恍惚とした表情で口の端から唾を流していた。
「ったく、感謝しろよ?お前の父親を犯人に仕立てるのにどれだけ苦労したか。」
「あり、ありがとうございます…!!」
「でもま、この傷は良かったな。あの刑事も父親が付けたもんだって信じて疑わなかったし。」
「ちが…!!ちがうちがうちがうこれはきょーへーがつけてくれたものだよ、おれに、おれだけにつけてくれたものだ!!!」
「分かってるよバーカ。」
ぐりぐりと俺の肩口に顔を埋めてくる。
俺は横目で運転手に「出せ」と合図を出した。
静かに動き出す車。
狭くはないが、こいつがくっついているから動けない。
死んだあの女は、俺に勝手に付きまとって来て心底迷惑だった。
何より、「自分は栗花落財閥の息子と付き合っている」と事実にもない事を周りに言いふらしていて。反吐が出るかと思った。
だがあいつも一応財閥の令嬢。
俺が下手な態度を取れば何をしでかすか分からなかった。
どうしたものか、と頭を悩ませていればこいつが知らぬ間にあの女を殺していたのだ。
「でもどうしてあいつを殺そうと思ったんだ?」
「だってきょーへーはおれだけのかみさまなのに!!
おれからかみさまをとろうとしたから!!!」
「そうか。」
今まで掴んでいたこいつの髪の毛を放す。
頬に手を滑らせてこいつの口元に伝った涎を舐めとった。
「宗助。」
小さく呟いたこいつの名前。
それに宗助は我慢できなくなったように、俺に噛みつくようなキスをした。
歪んだ性愛は時に残酷
ゆがんでいるのは
だれだ―…?
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