04/27の日記
20:19
お題交換@
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これはTwitterでお世話になっているフォロワー様の協力の元書かせていただいたものです。
フォロワー様の特定、及び迷惑行為は厳禁です。
<設定>
・この世界では人間と野獣が戦って暮らしている。
・政府に選ばれた人間は野獣討伐に行かなくてはいけない。
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記憶にあるあの優しい声は、耳を劈く轟音に掻き消えていく。
舌打ちをして銃を構え、そのまま引き金を引いた。
パン、という音と共に鈍い聞き慣れてしまった声と音。
記憶の中のあいつの声が、歌声が、消えていく。
それがどうしようなく腹立たしくて、虚しくて、哀しかった。
「…ねぇ、」
「ん?」
「…いつになったら、帰ってこれるの…?」
「この戦いが終わったら。」
「そう、よね…変なこと言ってごめん。」
「…なぁ。」
「…何?」
「…俺が戦いに行っても眠れるように、歌ってくれねぇ?子守歌。」
「…フフ!勿論良いわよ。
…あなたが戦いに行っても、毎日歌うわ。一晩中。」
そう言って泣きそうに笑う横顔が目蓋に焼きついている。
まだあいつの声が耳にこびり付いてる。
まだ、俺はやれる。
銃のグリップを握り直して足に力を入れる。
その度に野獣共から受けた傷が悲鳴を上げた。
思うように動かなくなってきた体に鞭を打つように歯を食いしばる。
口の中を切ったのか、鉄の味と匂いが広がった。
プ、と唾を吐き捨てて銃を構える。
襲い掛かってくる奴らに撃ちこんで行けば、背後から気配を感じた。
振り向いて見れば、今までで見た中で一番でかい野獣で。
懐に忍ばせていたナイフを握り奴に突き刺す。
一応毒は塗ってあると言っても、即死に至るようなものではない。
これだけでかいのであれば、尚更。
「っ、げ、あ゙…!!!」
霞む視界。
冷えていく体温。
貫かれた腹は鈍い痛みを伴って。
力の抜ける足。
ギリ、と奥歯を噛み締めて何とか踏ん張り、銃口を奴に向けた。
引き金を躊躇いも無く引いて、ひいて、ヒイテ。
何発撃っただろうか。
既に朦朧とする頭ではそれを判断することも出来なかった。
どさり、と地面に倒れる野獣。
ずるり、と腹から抜かれた奴の手に喉の奥から何かが込み上げてきた。
耐え切れず吐き出せば、それはまだ熱を持った俺の血で。
息も絶え絶えで、俺も地面に倒れた。
ごろり、と仰向けになって銃を手放す。
霞む視界じゃあもう何も見えない。
ただ、空が白んでいることだけは分かった。
「(…あ、)」
記憶が蘇って来たのか、それともただの幻聴か。
あいつの歌が聞こえてきた。
とても優しい、あいつの歌。
とても美しい、あいつの―。
「(…良い夢が見れそうだ、)」
さようなら。ありがとう。
愛していたよ、――。
「……いい、歌…だ…。」
子守歌を夜明け前に
もう届くことはない愛の言葉を、あなたに―。
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