04/10の日記

17:22
突発的文章
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何時だか書いたpkmnネタでプラズマ団主人公の突発的文章。

▲兄さんが主人公ちゃんの心に踏み込もうとしているところが前提。
主人公ちゃんもゲーチス様のやり方に疑問を覚え始めたこと前提。
でもやっぱりゲーチス様は絶対…!!という葛藤の中生きていること前提。



↓↓↓↓







「あなた様は…プラズマ団だったのですね…。」
「…そうよ。私はプラズマ団。ゲーチス様の忠実な隷。」



モンスターボールを握る手に力が篭る。
カタ、と動いたボールに答えるように放った。
眩い光と共に飛び出した私のポケモン、アブソル。
アブソルは一度私の方を振り向くと、少し目を伏せて顔を前に向けた。



「ゲーチス様の崇高な考えの元、貴様のポケモンを解放させる。」
「…。」
「さあ、早くポケモンを出せ。」
「…嫌でございます。」
「…何?」



眉間に力が篭るのが分かる。
そのまま目の前の男を睨み付ければ、彼は目線を伏せただけで何も言わない。



「…怖気付いたか。私に負けて、ポケモンを奪われると。」
「…。」
「何か言ったらどうなんだ?」
「わたくしは、今のあなた様とバトルは出来ません。」
「…どういう意味だ、」
「そのような辛そうな顔のあなた様と、バトルは出来ないと申し上げたのでございます。」
「馬鹿げたことを、」



鼻で嗤えば、目の前の男はつかつかと私の目の前に近づいてくる。
それに驚いて一歩後ずされば、私を守るようにとアブソルが立ちはだかって低く唸った。



「…あなたも辛いのでしょう、このような主人を見るのは。」
「ぅ゙ぅぅぅぅぅぅ…!!」



今にも噛み付きそうなアブソルにその男は手を差し伸べる。
アブソルはその手を見て、呻るのを止めた。



「アブソル…!?」



アブソルは男が差し伸べた手に額を付けると、今度は私の方に体を向ける。
そして私に向けられた瞳には哀れみが映っていた。



「な、んだ…その目は…!!」
「…。」
「やめろ!!その目で見るな!!」
「…がう、」
「やめろ!!」



頭を抱えて蹲る。
きつく目を閉じれば、手の甲に温度を感じた。
顔を上げれば、そこにはアブソルがいて。
アブソルが私の手の甲に、その頬を擦り付けていた。



「アブソル…、」
「がう…。」



アブソルがひとつ鳴く。
そうすると、私は何もしていないのにアブソルは勝手にボールの中に戻って行った。

それを呆然と見送っていれば、今度は何かにきつく抱き締められる。
視界の端に映る黒いそれに、目の前がじんわりと潤んだ。



「っ、放せ…!!」
「…。」
「放せ!!」



突き放そうとしても、その力以上に男は抱き締めてくる。
引っ張っても押し退けても、その男は絶対に離れない。
これが男と女の力の差か、と。それが悔しくて悲しくて、更に目の前が滲んだ。



「も…入ってこないで…!!」
「…。」
「放っておいて…!!私のことなんか、放っておいて…!!ひとりにしてぇ…!!」
「…。」
「嫌いになって、突き放してよ…!!だって、私、あなたに酷い事したのに…!!沢山したのにぃ…!!」
「…。」
「入ってこないで!!私の中に、入ってこないでぇ…!!」
「…。」



男は抱きしめる腕に力を篭める。
その腕の中が酷く心地好く、温かく。

こんな気持ちは知らない。

口から漏れるのは放っておいてくれというものなのに、彼は私を離そうとしない。
それに甘えて、私の手も彼にしがみ付くように彼の服に縫い付けられていた。



「嫌、でございます。」
「っ、う、あ…、」
「わたくしはあなた様と共に…、」
「うああああ…!!」
「共に、居たいのでございます。」
「うあああああああああ!!!」



荒みきった心に、彼の言葉は痛いほど沁みて。
今までこんなに声を上げたことはない、と言うほどに声を上げて泣いた。


どうすればいい?
どうすればいいですか、ゲーチス様。

私は、




どうすればいいのですか―?




――――――

こ っ ち が 聞 き た い





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