★リミの部屋★

□失くした言葉
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『自分の使命を忘れるな』



彼は強く言い放った。おれはすぐさま反論する。


『そんなの果たさなくていい』


しかし彼は哀しげにおれの顔を覗き、言葉を選んだ。


『お前は魔王だ』


だったらなんだ。
…それがなんだって言うんだよ?

大事なモノを失くすのなら、
守れる力がないのなら、

…こんな職業今すぐやめてやる。


『ユーリ、それは違う』


何処が?
…合ってるじゃないか。


やめるからこっちに戻ってきてくれよ。
おれの側にいて…それだけでいいから。


あんなに近くにいたのに……なあ、なんでお前はそんな遠くにいるんだ…?



でも、



どんなに辛くとも、最後は歩くしかないんだ。


優しかった『時間』は、もう二度と戻らないから…。


いつかこの苦しみも、なにもなかったかのように風化するのだろうか。


そうなってしまうのなら、忘れないように…


この先死んでも、この想いだけは絶対に失くさないように…






……おれは、心に深く傷をつけるよ。
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