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□真実まで3プッシュ
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*佐久間視点
「佐久間好きだ!」
源田はいつもそう言う。
なんかもう聞き飽きた。
「はいはいありがとう。」
適当に生返事をした。
帰り際、成神に呼ばれた。
「せーんぱい!もぅ源田先輩に飽きちゃったんですかぁ?」
はぁ?全く、ホント面倒くさい後輩だな、成神は。
「別に、そんなことないと思うけど。」
普通に答える。
なのに成神はベラベラ続ける。
「えぇ〜??そーですかぁ?鬱陶しそうに見えるんですけど。」
「そーでもないけど。確かにいつも同じこと言ってるけど。ってかもう帰っていいか?」
早く、早く話を切り上げたい…。
「俺なら先輩を退屈にさせませんよ。」
成神が呟く。
「な、どういう−…」
ダンッ!床に押し倒される。
「痛ッ−!!」
思い切り顎を掴まれキスをされる。俺の酸素を奪うように絡めてくる。
「いやぁっ…成神ッ−?やめっ−…ふぁ!」
「先輩、本番いきますよ?」
「あぁッ−…!!」
ユニフォームを手慣れた感じでするする脱がしてくる。
「やめっ…ホントにッ!」
目に涙がたまっているのがよく分かる。
廊下から足音が聞こえてきた。誰…?
源田だったら、どうしよう。
助けてくれるかな?それとも見捨てられるか−…。
いかにもな機械音が響き部室の自動ドアが開く。
そこにいたのは−
「げんっ…げっ…げんだぁ…」
「佐久間?!」
驚いたように源田が俺を呼ぶ。
「あーぁ。これからなのに。部室、ドア閉めとけば良かった。さよなら、先輩方。」
成神は曲がったヘッドフォンを直しながら、出て行った。
−−−−−−…………
2人の間に沈黙が走る。
「…大丈夫か?」
その沈黙を崩したのは源田だった。
「…うん。なんか、ゴメン。」
「なんで謝るんだ?」
源田が真面目に聞いてきた。
「だっ…だって、俺お前と付き合ってんのに、さ。なんか…」
めちゃくちゃになってるユニフォームを直しながら源田を見てたら涙腺が歪んできた。
「明日、成神には俺から言っておくから。佐久間は気持ちを落ち着かせて。」
あぁ、優しいなぁ。
ウザくてもなんでも、だから嫌いになれないんだよ。
「源田。ありがとう。それと…」
時計の長針が少しずつ動く。
「 」
真実まで3プッシュ