shortブック
□かぶってるかぶってる
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『ん〜、さぶい』
不寝番をしている名前は見張り台から海を眺めていた。
波の落としか聞こえないこの時間はとても心が静まる。
今日は晴れていて、暗い星の上に散らばる星がとても綺麗だ。
風が吹き、毛布をさらに身体に巻き付けた。
「うっひょー、さっびーな!」
『っ!!・・・なんだルフィか』
ぶるぶると震えながら上ってきたルフィに驚いて名前は目を丸くした。
ル「なんだって何だ、失敬だなお前!」
『あははっごめんね。つい驚いて(笑)どうしたの?』
ル「小便しに起きたらさ、外で何か光ってるのが見えたんだ!名前にも教えてやろうと思って」
にしししっ!と笑うルフィ。
『光って・・・!敵じゃなくて!?』
ル「後ろ見てみろよっ」
ルフィに言われて後ろを見てみると、小さな黄色い光が海上にたくさんあった。
『わあ・・・!!』
海の上にあるその何百もの淡い光はふわふわと飛んでいる。
ル「あれ、海蛍って言うらしいんだ。な!キレーだろ!」
『うん!・・・すっごく綺麗・・・』
しばらくして、ルフィが何も羽織っておらずいつものノースリーブだと気付いた(←遅い)
『うわ、ルフィさむっ!見ててさむっ!』
はい、と毛布を広げた。
ル「おっサンキュー!」
手を擦りながら隣に来たルフィの鼻は赤くなっていた。
『この中は暖かいでしょ』
ル「ああ!暖けェ・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・』
なんか・・・
この状態、見覚えがあるんだけど・・・!
ル「この海の先に、"ワンピース"が待ってる」
遠くを見つめながらルフィは言った。
『それを見つけたら、ルフィは海賊王だ』
「にししっ・・・・・・ああ!」
下には 暗い海の中に 淡い光
上には 黒い空に散りばめられる 星
2人で一枚の毛布の中は 驚くほど
暖かかった
(Σラピュ○か!!)