shortブック
□借り暮らし
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『ねえゾロ、背中かして』
ゾ「あ?何でだ」
『いいから・・・!』
甲板に座っているゾロを横向きにし、名前も座った。
背中と背中がくっつくように。
『はー、ゾロの背中は広いからラク』
ゾ「おれはソファか・・・u」
『あ、やっぱこっち向いて』
ゾ「今度は何だ・・・」
イヤそうにこちらを向くゾロ。
でも、ちゃんと聞いてくれるから優しい。
『あぐらかいて』
ゾ「なんか、予想できるんだが」
しぶしぶあぐらをかくゾロ。
の上に座る名前。
ゾ「やっぱりな。完全にソファじゃねえか」
はぁ、とため息が真後ろから聞こえる。
『ゾロがアイデアをくれました!』
ああ、そうかい。と呆れ顔で言うゾロの脈は速い。
−−−−−−−−−−−−
ゾ「・・・おれは眠りてぇ」
『あ、そう?おやすみ』
ゾ「このまま寝れるわけねぇだろ」
『雪が振っても雷が落ちても眠り続けるくせに』
ニヤリと笑う名前を見て、言葉を詰まらせる。
ゾ「ぅ・・・退けとは言わねえよ」
『じゃあ、何て言うの?』
ゾ「・・・ざか・・・せ」
『あい???』
真後ろからボソッと呟かれた言葉は名前の脳までは届かない。
ゾロは真っ赤な顔をしてスウッと息を吸い、もう一度言う。
ゾ「・・・ひざかせ」
『!!』
今度はハッキリと聞こえた。
目を丸くしてバッと後ろを振り向くと、頭をかいて下を向くゾロ。
『ふふっいいよ』
ゾロが可愛く見えた。
本人に言えば絶対に起こるけど。
ゾロからおりて、隣に座った。
するとゾロの頭が降りてきて、すぐにス―スーと呼吸が聞こえた。
ゾロの緑色の髪が、最初はくすぐったかったけど。
気づいたら気にならなくなってた。
・・・寝顔拝見〜☆
ゆっくり顔を覗くと、バッチリ目があった。
・・・・・・・・・。
ゆっくり顔を引っ込める名前。
ゾ「覗きか?」
声質で、あの不適な笑いをしているのがわかる。
『そっちこそ、眠いとか言ってたくせに』
ゾ「今起きた」
『嘘だねー』
ゾ「おま、その言い方はよせ・・・」
小学生が言うような、人を馬鹿にする変に高い声で言ったら、ゾロに言われた。
『はい、ひざまくら終了ー』
足を伸ばすとゾロの頭は床に落ちた。
ゾ「あだっ!!何すんだっ」
『足しびれ・・・てないけど!!しびれてはないけど!!』
ニヤっと笑うゾロを見た名前はすぐに否定した。
その後のことが想像できたから。
つんっ
『ヴ!!!』
ゾ「ははっ何だその声』
つついたのはゾロなのに!
腹を抱えて笑うゾロに蹴りを・・・
入れたいができない。
『あ!もうひざかしてあーげない』
ゾ「んなこと言うなって」
『ふーんだ』
しびれが治ってきた名前は手すりにつかまりながら立ち上がる。
が、まだ感覚が麻痺していて、カクンとひざが折れた。
尻餅はつかなかった。
ゾ「まだしびれてんだろ」
やれやれ、と言うかのように抱えてくれるゾロ。
『あ、ありがと・・・』
顔が近い!
ゾロは名前の肩に顔を乗せている。
至近距離で話されるとっ!!!
『ちょ、近・・・』
ゾ「これでおあいこだろ?
また貸してくれよ」
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あたしが貸すものは
あなたに借りたいもの
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