shortブック

□借り暮らし
1ページ/1ページ


『ねえゾロ、背中かして』


ゾ「あ?何でだ」


『いいから・・・!』


甲板に座っているゾロを横向きにし、名前も座った。

背中と背中がくっつくように。


『はー、ゾロの背中は広いからラク』

ゾ「おれはソファか・・・u」

『あ、やっぱこっち向いて』

ゾ「今度は何だ・・・」

イヤそうにこちらを向くゾロ。

でも、ちゃんと聞いてくれるから優しい。


『あぐらかいて』

ゾ「なんか、予想できるんだが」

しぶしぶあぐらをかくゾロ。

の上に座る名前。

ゾ「やっぱりな。完全にソファじゃねえか」

はぁ、とため息が真後ろから聞こえる。

『ゾロがアイデアをくれました!』

ああ、そうかい。と呆れ顔で言うゾロの脈は速い。


−−−−−−−−−−−−


ゾ「・・・おれは眠りてぇ」

『あ、そう?おやすみ』

ゾ「このまま寝れるわけねぇだろ」

『雪が振っても雷が落ちても眠り続けるくせに』

ニヤリと笑う名前を見て、言葉を詰まらせる。

ゾ「ぅ・・・退けとは言わねえよ」

『じゃあ、何て言うの?』


ゾ「・・・ざか・・・せ」

『あい???』

真後ろからボソッと呟かれた言葉は名前の脳までは届かない。

ゾロは真っ赤な顔をしてスウッと息を吸い、もう一度言う。


ゾ「・・・ひざかせ」


『!!』

今度はハッキリと聞こえた。

目を丸くしてバッと後ろを振り向くと、頭をかいて下を向くゾロ。

『ふふっいいよ』

ゾロが可愛く見えた。

本人に言えば絶対に起こるけど。


ゾロからおりて、隣に座った。

するとゾロの頭が降りてきて、すぐにス―スーと呼吸が聞こえた。

ゾロの緑色の髪が、最初はくすぐったかったけど。

気づいたら気にならなくなってた。


・・・寝顔拝見〜☆


ゆっくり顔を覗くと、バッチリ目があった。

・・・・・・・・・。

ゆっくり顔を引っ込める名前。


ゾ「覗きか?」

声質で、あの不適な笑いをしているのがわかる。

『そっちこそ、眠いとか言ってたくせに』

ゾ「今起きた」

『嘘だねー』


ゾ「おま、その言い方はよせ・・・」

小学生が言うような、人を馬鹿にする変に高い声で言ったら、ゾロに言われた。


『はい、ひざまくら終了ー』

足を伸ばすとゾロの頭は床に落ちた。

ゾ「あだっ!!何すんだっ」

『足しびれ・・・てないけど!!しびれてはないけど!!』

ニヤっと笑うゾロを見た名前はすぐに否定した。

その後のことが想像できたから。

つんっ


『ヴ!!!』

ゾ「ははっ何だその声』


つついたのはゾロなのに!

腹を抱えて笑うゾロに蹴りを・・・

入れたいができない。


『あ!もうひざかしてあーげない』

ゾ「んなこと言うなって」

『ふーんだ』


しびれが治ってきた名前は手すりにつかまりながら立ち上がる。

が、まだ感覚が麻痺していて、カクンとひざが折れた。

尻餅はつかなかった。


ゾ「まだしびれてんだろ」

やれやれ、と言うかのように抱えてくれるゾロ。

『あ、ありがと・・・』

顔が近い!


ゾロは名前の肩に顔を乗せている。

至近距離で話されるとっ!!!

『ちょ、近・・・』

ゾ「これでおあいこだろ?




また貸してくれよ」




−−−−−−−−−−−−




あたしが貸すものは


あなたに借りたいもの







.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ