runawayブック
□シロップ村
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ル「なおったーっ!!!」
ルフィの手には、穴一つ無い麦わら帽子。
ナミが縫って穴を塞いだのだ。
塞がった傷をつんつんとつつくルフィ。
『あんまりつつくと・・・』
ル「あんなにボロボロの帽子をここまでなお・・・ズボッ・・・あ」
『あーあ』
ナ「人の話をちゃんと聞けェ!!」
ブスッ
ル「ぎゃああああ」
ナミは裁縫に使った針をルフィの額に刺した・・・
ル「針で刺すなよ!痛ェだろ!!」
ナ「殴っても効かないから刺すしかないでしょ!?」
ル「ああ、そりゃそうか!」
『いやぁ・・・ャ』
ゾ「お前らうるせェな、眠れねェじゃねェか。おれは腹も減ってんだ・・・」
『あ、食料ならあるよー』
はい、とゾロに食べ物を渡す。
ナ「名前、その食料どうしたの?」
『バギーんとこから失敬した』
ル「おい!島だ!!」
ルフィが遠くに見える島を指差した。
ナ「ああ、あれはダメね。無人島よ」
ル「仲間になってくれる奴いるかなァ」
ゾ「ま、何かしらあるだろ」
『とりあえずGO!』
ナ「Σ待て!!!」ガーン
−−−−−−−−−−−−−−−−
ル「着いたぞ!何もねェ島だなァ!!」
ナ「だから言ったのに、無人島だって」
ル「おい、名前!ゾロ!おりて来いよ!」
『あたしは待ってるよ!一応ケガ人だし、起こしちゃ悪いでしょ?』
ル「なんだ、寝てるのか!わかった、そんじゃ行ってくる!!」
ナ「行ってきます!」
手を振り、2人を見送る名前。
『・・・・・・まだかな〜』
ゾ「・・・今別れたばかりだろ」
後ろから聞こえた声に振り向くと、ゾロが目を覚ましていた。
『起きて平気なの?』
ゾ「ほっときゃ治るさ」
『治らんて・・・ャ血が足りなくてそのうち死んじゃうよ?』
ゾ「ハッ、死なねェさ、おれは」
『早く船医が欲しいね・・・どっかの誰かが変なことする前に』
ゾ「何するっつーんだよ」
『んー、例えば・・・自分で傷を縫ったり』
ゾ「ダメなのか?」
『当たり前でしょ!はい、もう寝た寝た!じゃないと治らない!』
ゾ「おわ!?・・・ったく」
仕方ねェ、と呟きながら、ゾロはまた眠りについた。
『(まだかな、って言ったのは、ルフィ達に対してじゃないんだ・・・)』
そう、名前が待っているのはルフィ達もそうだが、もう1人いた。
ここ20年、共に海軍本部にいたあたしの"守護者"・・・
実は、ついこの間まではその人と一緒にシャンクスの元にいた。
ルフィの情報を集めていたが、集まる情報は限られていた。
だから、"守護者"・・・龍弥には他の島に行き、情報を集めてもらっていた。
結局はあたしが先に情報を掴んで、出発したんだけど・・・
なかなか戻ってこない・・・
龍弥には何故かあたしの居場所がわかるから、迷うことはない(誰かさんみたいにね)
そろそろ戻ってきてもいい頃なんだけど。
ま、そのうち来るか♪