runawayブック
□オレンジの町
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・・・よし
準備はできた。
『行ってきます・・・!』
後ろを振り返り、ニコッと笑う。
「ああ、行ってこい」
「さみ"じーぞ名前"ー」
「さみ"じーぞおおお」
あぁあ、大の大人が鼻水垂らして・・・
『永遠の別れじゃないんだよ?大丈夫!皆よりも強くなったらいつか会いに来るから』
「・・・もう強ぇよ・・・」
『前から言ってるけど、そんなことないって!!じゃあ、今までありがとう・・・!またねーーー!』
名前は大きな翼を背中から出し、地を力強く蹴った。
「・・・行っちまったな〜」
「船長、よくこらえてたな」
ふと見ると、その顔はすでに濡れていた。
シャ「・・・名前〜っぐずっ」
「・・・・・・u」
「四皇ともあろう人がメソメソすんじゃねぇよ・・・」
煙草をふかして歩いてきたのは、この船の副船長。
シャ「ベン!肩書きは関係ないんだ!おれの可愛い名前が行ってしまった事が純粋に悲しいんだ!」
ベ「よけい気持ち悪ぃ」
「あいつは平気さ」
シャ「ヤソップ」
ベ「何で断言できるんだ?」
ヤ「あいつは、おれの息子と歳が近い!」
「またそれかよ!」
ベ「まあ、あいつは何かと上手くやるタイプだ。心配ねぇだろ」
皆して「うんうん、」と首を縦に振るその海賊団は、名前が飛んでいった空を遠く眺めていた。
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