4つの季節と僕らの心
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流石サッカー部とでも言おうか。
次々にパスが繋がっていき、シュートを打つ。
だがキーパーはそのシュートをあっさりと止めてしまった。
ただそれだけの事なのに、酷く興奮している自分がいた。
「これが…雷門中のサッカー…」
そう呟いた天馬君をちらりと横目で見ると、どうやら天馬君も俺と同じようで、譫言のようにすごい…と連呼している。
遠くから眺めていてもつまらないからもっと近くに行こう、と再び手を引っ張られる。
さっきまでずっと繋ぎっぱなしだったのかと気付いた俺は今になって急に恥ずかしくなって体温が上がったのがわかった。
(…なんなんだ、全く)
* * *
「お、松風と狩屋じゃないか!」
「円堂先生! 見学しにきました!」
馬鹿でかい声での二人のやりとりに休憩中なのだろうか、先輩達がわらわらとこちらにやってきた。
「そういや俺らも去年はこうして見学したよな、霧野」
「あぁ、そうだな、神童」
寝癖なのかわからないがウェーブのかかった髪の神童と呼ばれた先輩は、キャプテンなのだろう。
キャプテンマークをつけている。
そしてもう一人。
桃色の髪の毛を二つに束ねた霧野と呼ばれた先輩がこちらを見て楽し
そうに話していた。
(……女…?)
いや、サッカー部にいるって事は男子だよな…?
そんな疑問が頭に浮かぶ。
それくらい女顔だった。
寧ろそこら辺の女子の何倍も可愛いのではないかと思われる。
世の中どんな人がいるのかわからないものだ。
* * *
円堂先生は、サッカー部の先輩を一人一人紹介してくれた。
先生いわく、「その人について知っておいた方が練習を見てて楽しいだろう?」らしい。
全員の紹介を終え、印象に残ったのはキャプテンの神童拓人先輩。
他の先輩がこっそり教えてくれたのだが、泣き虫らしい。
そして、ディフェンダーの霧野蘭丸先輩。
本人は女顔を気にしているらしく、性格や口調は男らしい、と先輩達が言っていた。
他にも色々と個性的な人がいて、面白い所だと思った。
そんな沢山の個性があるからこそ、ヒロ兄が言ってた通り雷門のサッカーは強いのだろう。
しかし、どうやら雷門中は見学してみて入りたいと思ったら初日からでも入部出来るらしい。
先輩達の練習を眺めていたら円堂先生にそう言われ、天馬君と相談した結果、俺たちは初日からサッカー部に入部する事にした。
まあ、大体は天馬君に合わせる形になった
が別に嫌とかそんなのはなかったからまあ、いっか。
それくらいに思っていた。
霧野が狩屋のプレーに注意をするまであと三分。
苛立ちを覚えた狩屋が霧野に嫌がらせをするまであと四分。
それに霧野が怒るまであと五分。
先輩達が狩屋を庇うまであと七分。
―…狩屋が霧野に惹かれるまであと……。
――――――――――
・天馬に合わせる狩屋
・一年の頃を懐かしむ幼なじみ二人
今回もかなり意味不な文になりました/(^O^)\
そして次のは下書き出来てるんで、後は携帯でうつすだけ…!
っていってもこれが色々めんどくさいのですが……。
閲覧ありがとうございました!
まだまだ続きます!