徒歌:短編
□二人の魔女
1ページ/1ページ
◇老女絵本を片手に語る◆
ある時代に魔女狩りというものがございました。
“魔女”はあらゆる知識を持つ賢者の一族で、中には魔力と称されるものを持つ者もおりました。
他の一族から迫害され滅ぼされようとした時、魔女達は二人の魔女を残す事に決めました。
魔女達は生き残っている一族の中から二人の魔女を選び、封印しました。
永い永い眠りにつかせたのです。
どうか我々を滅ぼさんとしたこの世界の後の世界を壊してくれと願いを込めて。
■二人の魔女目覚め絵本は歴史になる□
二人の魔女が目覚めました。
その時、魔女は世界各地で細々と生きていました。
二人の側に魔女の村はありませんでした。
二人は願いを実行しました。
世界を壊すために動きました。
一つ一つ町を壊していきました。
ある村で二人は一人の同い年の少女に出会いました。
出会って二人は世界を壊すのをやめました。
二人のことを伝承として語り継いでいた世界の魔女達が二人の下へ集まりました。
魔女達は二人へ感謝と祈りを伝えて去っていきました。
二人の魔女は村近くの森に家を作り静かに穏やかに生きました。