tame

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―a gap― 2








「ごちそうさま。」

「食器をお下げして。」



他のメイドに皿を下げさした。
今日の予定をズラリと書いた紙面を確認する。



「本日は午後からの用事が詰まっております。午前はいささか空いていますが、いかがなさいます?」

「ちょっと、ジェリーの所へ行ってくるわ。」

「料理長の所へですか?」

「付いて来ちゃダメだから。」

「はぁ…、わかりました。」



椅子を引いて、彼女は部屋を出て行った。
残った朝食の片付けをしながら、ふと思った。



「何しに料理長の所へ…。」



あとで聞いてみますか。

僕が付いていないところで何かあったら後悔だけで済まされない。
何をしていたかも把握しておかなければ。








「お嬢様?入りますよ。」

「待って……いいわよ、入って。」



ノックに彼女が応えた。
ようやく部屋に帰ってきたみたいだ。

そろそろ昼食の時間だというのに、なかなか帰ってこないから心配でならなかった。


「お帰りが遅かったですね。」

「ん……。」

「何をなさってたんですか?」

「何も。ただ話してただけよ。」



(………ふむ)
何やら怪しい。
けど、それをあまり追求するわけにはいかないだろう。
嫌がられても困るし。



「午後からの用事は何があるの?」

「あ、はい。まず4時から武術のご指導がはいっております。」

「武術かぁ…まぁ動くのは好きだから。」

「僕からいわせれば、お嬢様に武術なんて危ないことさせたくないですが。」



彼女は強い。
強いが、やはり指導されてる最中は心配でならない。
ちなみに彼女の得意技は脚技だ。



「しかたないわ、兄さんが心配症なんだもの、もしも何かがあったら自分でもなんとか出来るようにって。」

「僕がついています。」

「あと、変な男がつかないように。」



見事な切り返しでニコリとこちらを見られ、ドキリとした。
もしかしたら顔が赤くなってるかもしれない。



「あ、あの、そいえば僕は、まだお兄様にお会いしたことありませんよね。」

「あ……そうね。いつか顔見せしないといけないかな。…怒られそうだわ。」

「どうして怒られるのですか?」

「その、男の人を新しい執事につけちゃったからよ。…つまり、まだ兄さんに貴方のこと言ってないの。」



ぽかんとした。
彼女からはよく兄の話を聞かされていたが、まさか自分のことが通っていないとは夢にも思っていなかった。

言っていないことを僕に言ってくれなかったことにもびっくりした。




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まぁ…
リナリーはコムイ兄さんに言えなかったし、言わなくても一緒にいないから、言う必要がなかったんですね。


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