羅針盤と銃一丁

□だけどそれは正しいのだろうか
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「…化猫よ」





凛としていて鋭い声音。
しかし、それには何処か優しさが含まれている気がして。





目をあければ、
己の前に立ちはだかるは極彩色の男。

化猫にのまれていたはずの薬売りが、
退魔の剣と供に立っていた。








「お前の真と理…、」






彼が見据えるのはただひとつ。
人間が産んだ憎悪と愛情の産物だ。





最早
薬売りの独壇場であるこの空間に満ちる静寂は、彼が紡ぐ言葉の波紋によって揺らされていく。






「…しかと、受け取った。」






唇にひかれた藤色が、
緩く弧を描いて持ち上がる。







かちん、







全てを揃えたことを示した退魔の剣が、
己のつるぎを解き放つ為の言葉を乞うた。








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