羅針盤と銃一丁

□恨み辛みの裏の裏の裏の
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「…だから何だ?」


勝山は、意味が分からないといった様子で眉根を寄せる。
それに対して薬売りは表情一つ変えず淡々と言葉を発していく。


「…何かが有り、何者かが、何故にか、
怒り、怨んでいる…」




何人かの表情が強張る。
思い当たる節でもあるのか、と
彩売りは冷めた瞳で口角を吊り上げた。





「それを、明らかにしない限り、
剣には力が宿らず、
物の怪は斬れん、という事だ…」



「何故に…か…」




笹岡が、ぽつりと呟く。
その声が何かを思い出して発された様に感じたのは、彩売りの気のせいか否か…。






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