鬼さんこちら、

□車上の戦い、II
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「何か手伝う事あるかぁ?」

「安全運転よろしく!」


気を取り直しと、
再び窓から車上へと上がる。

先に上がった紅髪女は、
何やら欠伸を噛み殺していた。


…やっぱり、変な女だ。



すると、
彼女は急に視線を後方へと投げる。

何かと思って俺もそちらを向けば、
がたん、という物音が聞こえた。
そこにはマシンガンを手にしたテロリストの一人。


「いたぜ、ハツカネズミちゃん」


「あっ、ぶねェなこの野郎っ!」


放たれた銃弾をなんとか避け、
俺はその場に手をついて錬成をする。

出来あがったのは巨大な大砲。

それを景気良くぶっ放せば、巨大な弾は見事命中。
テロリストは汽車の中へと落ちていった。


「ナイスショットー」


紅髪女が薄く笑いながら呟いた。



「こりゃあ!!
汽車の命の炭水車になんて事を!!」

「わ、ごめん!」


「ありゃ、」


下の機関室から、おじさんが声を張り上げてくる。

どうやら、俺がとっさに手をついたのは炭水車に山積みにされた炭のようだ。



…ん、?炭水車…?




「…ふーん…」


ごんごん、と車体を叩けば、
中の水に音が伝わり心地好い。

自然に口角が上がるのを感じた。




「お豆君、
今自分悪そうな顔してんよ」




紅髪女は俺がしたい事を察したのか、
共犯者めいた笑いを浮かべてそう言った。







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