鬼さんこちら、

□始まり始まり
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「あ、アル!
良かった、先に来てたか」


お姉さん、ことエリオットさんと別れてから数分。
やっと兄さんが席へ来た。


「もう、兄さん遅いよ!
もう少しで列車が出ちゃう所だったじゃないか!」

「わりぃわりぃ、
身体検査でちょっと引っ掛かっちまってさ。
…そういえば、アルは大丈夫だったか?」


「うん。
引っ掛かっちゃったんだけど、親切なお姉さんが助けてくれたんだ。」


「へえ、」


兄さんは驚いたように瞬きをして、
それからどかっと椅子に腰を下ろした。


「助けてくれたって、どうやって?」

「彼女、国家錬金術師だったんだ!
銀時計みせてパスしてくれた!」

「ふうん…」


兄さんは少し首を傾げると、
名前は分かるかときいてきた。


「エリオットさんだよ。
エリオット・キルギスタさん。
兄さんより少し年上っぽくて、
美人さんだった」

「へえ…エリオット…、?
聞いたことねえな。
成り立てかな?」

「どうだろうね?
でも、同じ列車に乗ってるんだし、
後で会えるんじゃないかな?」

「ああ、そうだな」



そこまで話した所で、車内には発車を告げるアナウンスが流れる。
エリオットさんは席見つかったかな?

そんな事を考えながら、
僕はゆっくりと動き出した窓の景色に目を移した。





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