▽初等部・男女主T
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「お前......本気で佐倉蜜柑の家族に会いに行くつもりなのか?」
岬は、廊下を歩く鳴海に尋ねる。
蜜柑が脱走をしたとき、岬は鳴海のケガの手当てをした。
だから蜜柑の脱走については、ある程度事情を知っている。
「......その事がバレたらお前、自分の立場がどんなにヤバくなるかくらい......」
「わかってるよー
でもこれは、僕のためでもあるしね」
鳴海は半分笑いながら、半分真剣な口調で言った。
「.....お前、まだあの人のこと.....
佐倉蜜柑が無効化のアリスだからって、まだあの人と繋がりがあると決まったわけじゃないだろ」
「アハハ.......わかってるって」
「五条リンのことだって......
いくら一瞬の結界妨害だとしても、学園側に気づかれないわけがない。
佐倉蜜柑は庇えても、五条リンは庇えないだろ。
ただでさえアイツは.....」
「蜜柑ちゃんもリンちゃんも、同じ僕の生徒だよ。
.......大丈夫、うまくやるよ」
鳴海は、真剣な瞳とは別に笑顔をつくる。
「じゃ、岬先生。
くれぐれもこの件、秘密によろしくね」
鳴海はくるりと向きをかえ、去っていった。
自分の心配はどれほど彼に伝わったのか...
岬ははあ、とため息をつく。
いつだって、読めないやつだ....
今までの会話を誰かに聞かれているとは、2人は知るよしもなかった.......
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