▽初等部・男女主U
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―高等部の校門近く、
すでに殿内、翼、琥珀、リンは準備を終えて集合場所にきていた。
「まだかよ――チビーズいつまで待たせんだー?」
翼が待ちくたびれた様子で言う。
「仕方ねーだろー。
お前みたく着替えるだけと違って一気に5歳成長するんだし、いろいろ仕度にしろ心構えにしろ大変なんだろうよ」
殿内はそわそわする翼にそう言った。
「リン、体調の方は大丈夫?」
そう翡翠...に、扮する琥珀が心配そうに尋ねる。
対峙するリンとしては、その変態の精度が高すぎて琥珀の気配が感じられないのだから慣れない気分だった。
しかし、それは琥珀も同じで、リンの大人っぽい姿にドキドキしていた。
「大丈夫。あの時休めたから。
それに、琥珀のおかげであまりアリスも使わなかった」
そうは言ったものの、琥珀は今もアリスを使い通しのリンが心配だった。
精神面はあの時と違って、いつもの冷静なリンで、問題なさそうにみえた。
それでもリンには、蜜柑の目的とそれに加えて、個人的な目的があるのは感じ取っていたから、琥珀は成り行きを見守ることにした。
モネの口から真実をきくこと。
それがリンの目的でもあった。
「せんぱーい」
準備のできた蜜柑が、こちらに走ってくる。
「用意遅れてごめんなさいーウチちゃんと高校生に見えるーーー?」
蜜柑の少し不安げな顔。
「「お―――…」」
殿内と翼の声がハモる。
「....あ、棗」
そんなとき、リンが棗の姿を見つける。
その後ろには流架もいた。
「え...棗....!? ルカぴょん!?」
蜜柑は異常に驚く。
「ふ...2人とも大人やーーーっっ」
―べ...別人―――っっ
うひゃーーーーっっ
な....何かみんないつもと違うしちょーしくるうよーーーーーっっ
蜜柑は戸惑っていた。
「蜜柑、アメの副作用大丈夫なの?」
そこへリンがたずねる。
棗と流架の少しつらそうな様子を見てリンがいう。
「うーん...骨ギシギシでちょっと歩きにくくてなー....」
そう言う蜜柑は若干ふらついてて、、、、
案の定、バランスを崩した。
と、そこへ棗が手を貸し受け止める。
「棗...っ あ....りがと」
蜜柑がお礼を言ったのも束の間、
ぐにっ
「.....胸全然成長してねー」
「ぎゃーーーーーしねーーーーー何すんねんこのボケーーコロスーーーーー」
蜜柑の怒声が響いた。
一方の殿内は、
「い...いいな――…中身小学生っ」
羨ましがっていた。
「....あいつ、アンタと同じくらいタチ悪ーな」
翼もリンとともに呆れていた。
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