▽初等部・男女主T

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その日、蜜柑は打ちのめされていた____

先週行った試験の結果が、なんと、まさかの最下位だったのだ。

その上、リンにもすべての教科において点数をこされていた。

あんなに勉強したのに....

クラスメイトたちは、それをネタとして蜜柑をからかうのだった。

そのうえ、なぜかいつにも増して棗に冷たくあしらわれていた。



『―あっちいけブス』



そんなこんなで傷心中の蜜柑は、琥珀に慰められながら特力へ向かうのだった。

そこでは翼や美咲など、いつものメンバーがおり、蜜柑を元気づけるのだった。

「がんばったならそれでよし!」

「きけよー翼の点数きいたら元気でるぜー」

「あっちょっというなっ」

蜜柑はそんなにぎやかな特力の中で次第に元気を取り戻していった。





しばらく談笑していると、扉が開く。

入ってきた人物に視線が集まり、

「かなめ!?」

と、翼がガタンッと音をたてて立つ。

琥珀も驚いた様子だった。

そこに立っていたのは、ベアを片手に佇む中等部の制服姿の美少年。

その後ろには、ベアと同じような動く人形をもった高等部のお姉さま方もいた。






「お前、今日退院だったの!?」

翼が驚いたように言う。

「退院っていっても、いつも通り形ばかりの1週間の仮退院だし、

それにいきなり現れてみんなを驚かせたかったから」

要と呼ばれた美少年は、いたずらっぽく笑って答える。

蜜柑は、どうも話についていけない。

その様子に気づいた翼は、

「こいつは俺の親友、 園生 要。

人形に魂を宿らせるアリスで、ベアの生みの親でもあるんだ」

と、かなめを紹介する。

蜜柑は天敵ベアと聞き、過剰に反応するも、その生みの親の優しそうな笑顔に見とれてしまう。

そんな姿に、かなめは微笑むのだった。




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