▽初等部・男女主T
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楽しい楽しい祭りの後は...
「来週から、前期試験でーす!」
鳴海はいつもの満面の笑み。
「うえーーーってすと!!
ウチてすと大きらいーーーっっ」
蜜柑の悲痛な声が教室に響く。
蜜柑だけでなく、大方の生徒からもブーイング。
「はいはいみんな、お静かに。
このテストで上位成績とれれば、優等生賞の候補になれるかもしれないから、みんな頑張ってね」
その一言に、蜜柑の顔がパァっと明るくなる。
優等生賞といえば、1週間の里帰り。
じーちゃんに会える!
「うちっっ 今すぐ勉強頑張るっっ」
蜜柑の目が輝く中、周囲では「ムリムリ」と、ささやく声。
「はい、それじゃあ今から、このあいだの小テスト返すから、テスト勉強の参考にしてねー」
こうして返された小テスト、蜜柑はボロボロだった.....
国語/22点
数学/5点
英語/10点
理科/17点
社会/16点
撃沈....
「アホだーっっ こいつ本物のアホだーっっ」
蜜柑のテストを覗き込んだ心読みが言う。
「オレより下ーっ てかクラスで最下位じゃない?」
この結果には、さすがの流架でも引いていた。
蛍はこんな結果になるだろうとわかっていたのか冷静。
蜜柑はショックを受け、うなだれていた。
そんな蜜柑とは裏腹に、散々馬鹿にするクラスメイトたち。
蜜柑は逃げるように、リンの方へと駆けていく。
リンは教室の隅で、テスト用紙を片手にボーっとしているところだった。
そんなところに来た蜜柑。
「え、ぇぇぇぇえ!
リン、英語ひゃっひゃくてん!?」
蜜柑の教室に響き渡る声に、皆リンのまわりに集まってくる。
皆はリンを取り囲んで、テストを覗き込む。
「ちょっ....蜜柑っ」
リンの言葉は皆にかき消され、それと同時にテスト用紙がリンの手から離れる。
テスト用紙はハラハラと、棗の足元に落ちた。
棗はそれを拾い上げる。
「お前もバカじゃん。3点....」
一瞬、その場の空気がひんやりと涼しくなった.....
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