▽初等部・男女主T

□26
1ページ/6ページ





楽しい楽しい祭りの後は...




「来週から、前期試験でーす!」

鳴海はいつもの満面の笑み。




「うえーーーってすと!!

ウチてすと大きらいーーーっっ」

蜜柑の悲痛な声が教室に響く。

蜜柑だけでなく、大方の生徒からもブーイング。





「はいはいみんな、お静かに。

このテストで上位成績とれれば、優等生賞の候補になれるかもしれないから、みんな頑張ってね」





その一言に、蜜柑の顔がパァっと明るくなる。

優等生賞といえば、1週間の里帰り。

じーちゃんに会える!

「うちっっ 今すぐ勉強頑張るっっ」

蜜柑の目が輝く中、周囲では「ムリムリ」と、ささやく声。






「はい、それじゃあ今から、このあいだの小テスト返すから、テスト勉強の参考にしてねー」






こうして返された小テスト、蜜柑はボロボロだった.....



国語/22点

数学/5点

英語/10点

理科/17点

社会/16点



撃沈....

「アホだーっっ こいつ本物のアホだーっっ」

蜜柑のテストを覗き込んだ心読みが言う。

「オレより下ーっ てかクラスで最下位じゃない?」

この結果には、さすがの流架でも引いていた。

蛍はこんな結果になるだろうとわかっていたのか冷静。

蜜柑はショックを受け、うなだれていた。

そんな蜜柑とは裏腹に、散々馬鹿にするクラスメイトたち。

蜜柑は逃げるように、リンの方へと駆けていく。

リンは教室の隅で、テスト用紙を片手にボーっとしているところだった。

そんなところに来た蜜柑。





「え、ぇぇぇぇえ!

リン、英語ひゃっひゃくてん!?」

蜜柑の教室に響き渡る声に、皆リンのまわりに集まってくる。

皆はリンを取り囲んで、テストを覗き込む。

「ちょっ....蜜柑っ」

リンの言葉は皆にかき消され、それと同時にテスト用紙がリンの手から離れる。

テスト用紙はハラハラと、棗の足元に落ちた。

棗はそれを拾い上げる。






「お前もバカじゃん。3点....」

一瞬、その場の空気がひんやりと涼しくなった.....






.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ