▽初等部・男女主T

□22
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―逃げるのよ、逃げて逃げて.....




蛍だけは......





捕まればきっと、引き離されて2度と会えなくなる。

この子だけは、あの学園に奪われたくない。




―なぜ私達の子が、アリスとして生まれてきてしまったんだろう......







波乱の午前中が終わり、次は蛍と委員長とリンとまわる、潜在系エリア。

「なんでいるのよ...」

棗のごとく、琥珀の付き人を嫌う蛍。

しかしそんな蛍をよそに、また蜜柑は浮かれていた。




「なーなーピーターパンフライング≠ノ行こー!」

「あっあっちの水芸ショーもおもしろそー!!

先あっちいこかー!」

「蛍と一緒、た〜のし〜いねぇ〜えへへへへ」



蜜柑は何より、蛍と一緒にいることだけで嬉しかった。

しかしそんな蜜柑のテンションとは裏腹に、蛍はなぜかさっきからパンフレットをながめたり、会話もどこか上の空だったりで楽しくなさげ。

蜜柑はどこか気にしつつも、蛍の手を引っ張りあちこち見てまわる。





「蜜柑ちゃん、そういえばおなかすいてない?」

ふと、委員長が問いかける。

「あ、そういえば.....」

と、蜜柑。

楽しくてすっかり忘れていた。

「僕、お薦めのお店知ってるからそこ行かない?」

委員長の提案に、蜜柑はうなずく。

「なになに、透明人間レストランと小人の喫茶かぁ〜 楽しみや」

蜜柑はパンフレットを眺めながら言う。

「おなかぺこぺ....」

蜜柑が言いかけたそのとき、








ドガガ.....ギギギギーっっっ!!!




「「「キャーーーー」」」






物凄い音と共に、たくさんの人の悲鳴が聞こえた。

5人は何事かと振り向く。

そこに広がるのは、目を疑う光景。

人の乗った大きなアトラクションが落下していたのだ。

アトラクションの中やそのまわりには、流血した人、患部を押さえうずくまっている人、痛みに顔を歪ませてる人などがたくさんいた。





「じ、事故!?」

蜜柑は呆然とする。





「テレキレシス垂直落下で事故だ―」

「ケガ人がでたぞ―」

「おいっ早く医療班呼んで来いっ」

「せ....責任者を.....っ」

皆が慌てふためく中、





シュン....





と、テレポートの音。







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