▽初等部・男女主T
□22
1ページ/5ページ
―逃げるのよ、逃げて逃げて.....
蛍だけは......
捕まればきっと、引き離されて2度と会えなくなる。
この子だけは、あの学園に奪われたくない。
―なぜ私達の子が、アリスとして生まれてきてしまったんだろう......
波乱の午前中が終わり、次は蛍と委員長とリンとまわる、潜在系エリア。
「なんでいるのよ...」
棗のごとく、琥珀の付き人を嫌う蛍。
しかしそんな蛍をよそに、また蜜柑は浮かれていた。
「なーなーピーターパンフライング≠ノ行こー!」
「あっあっちの水芸ショーもおもしろそー!!
先あっちいこかー!」
「蛍と一緒、た〜のし〜いねぇ〜えへへへへ」
蜜柑は何より、蛍と一緒にいることだけで嬉しかった。
しかしそんな蜜柑のテンションとは裏腹に、蛍はなぜかさっきからパンフレットをながめたり、会話もどこか上の空だったりで楽しくなさげ。
蜜柑はどこか気にしつつも、蛍の手を引っ張りあちこち見てまわる。
「蜜柑ちゃん、そういえばおなかすいてない?」
ふと、委員長が問いかける。
「あ、そういえば.....」
と、蜜柑。
楽しくてすっかり忘れていた。
「僕、お薦めのお店知ってるからそこ行かない?」
委員長の提案に、蜜柑はうなずく。
「なになに、透明人間レストランと小人の喫茶かぁ〜 楽しみや」
蜜柑はパンフレットを眺めながら言う。
「おなかぺこぺ....」
蜜柑が言いかけたそのとき、
ドガガ.....ギギギギーっっっ!!!
「「「キャーーーー」」」
物凄い音と共に、たくさんの人の悲鳴が聞こえた。
5人は何事かと振り向く。
そこに広がるのは、目を疑う光景。
人の乗った大きなアトラクションが落下していたのだ。
アトラクションの中やそのまわりには、流血した人、患部を押さえうずくまっている人、痛みに顔を歪ませてる人などがたくさんいた。
「じ、事故!?」
蜜柑は呆然とする。
「テレキレシス垂直落下で事故だ―」
「ケガ人がでたぞ―」
「おいっ早く医療班呼んで来いっ」
「せ....責任者を.....っ」
皆が慌てふためく中、
シュン....
と、テレポートの音。
.