▽初等部・男女主T

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文化祭2日目、模擬店祭。

この日技術系エリアには、棗と流架と蜜柑。

そして、リンと琥珀がいた。

昨日の特力の出し物によって、決まった棗の奴隷、蜜柑。

正確には、“3つの願いを叶えるまで”だけど。

その蜜柑と模擬店祭をまわる約束をしていたリンも仕方なく棗たちについていくことに。

そして琥珀もまた奴隷としてリンについていくことになった。






「だからなんでこんな大人数に...」

棗は文句を言う。

それもそのはず、いつしかのように、琥珀のそばにはお付きの人がいて...

それも今日は学園祭ということで特別に増えていた。

「奴隷に護衛がつくなんてきいたことねー」

そんな棗と違って、琥珀はなんだか楽しそうだった。

「いつもは命令する立場だけど、される気分ってのも悪くないかもなー。

なんでも言ってねリン」

いや、八神家の“何でも言ってね”は本当になんでもできそうだから怖い....。

「だからってずっとついてこなくてもいいのに。

私があんたに命令なんてできるわけないでしょ」

それもそうだ、一般生徒でもそれは気が引けるのに、リンは特別八神家に目をつけられているのだから。

「命令じゃなくていいよ。

願いごとで。

リンのことはお守りします」

王子様のように、琥珀はお辞儀してみせる。

それだけで、聴衆を引き付けるのだからあわてて頭をあげさせる。

「ちょっと、わかってるの。

あんたの立場」

そう言ったリンに琥珀は笑って言う。

「いいじゃん、今日くらいはその立場忘れさせてよ」

その言葉が、本心のような気がして、リンはそれ以上は言わなかった。

そんななごやかなリンと琥珀とは違う、もう一組。





「今日は午後からリンと蛍と委員長とお買い物の約束をしてるんですーーーっっ」



必死の思いで土下座をする蜜柑。

それをみた流架はちょっと哀れ、じゃなくて可哀想になったのでつい言った。

「棗、今日だけ午後は自由にしてあげたら?」

その一言に蜜柑は目を輝かせる。

棗は渋々だけど琥珀のお付きがいなくなるともあって、了承した。










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