▽初等部・男女主T

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事件後、入院していた蜜柑は1週間大事をとって、今日が久々の登校日。

久しぶりにみんなに会うこと、シングルに昇格したことで、足取り軽やかに教室へ向かっていった。






教室にはいると早速、蜜柑はクラスメイトらに取り囲まれた。

皆、心配していたようだった。

そして事件の話をきかせてほしいという言葉をきいて、蜜柑は得意げに話し始める。

そんな時、教室の扉があき、さらにみんなの注目が注がれた。







「棗くん!」

「リンちゃん!」

蜜柑同様、久しぶりの2人の姿に、クラスがわっと沸いた。

2人の体調を気遣う言葉が飛び交っていた。

蜜柑も嬉しそうに、シングルに昇格したことなどを夢中で2人に話していた。








そんな中、リンがふと気づいたように言う。

「琥珀は...?」

リンのいうとおり、琥珀の姿が見当たらなかった。

「琥珀くんも、まだ学校に来てないんだ」

みんなもまた、心配そうに言う。

「先生は学園外の病院にいるって言ってたけど、そんなにひどいのかなあ...」

元気だって、ナル先生はゆうてたけど...。

蜜柑も急に不安になる。

「でも、あれはずっといるんだよね...」

心読み君がそう言って指さした先は、琥珀の席だった。

そこにいたのは、琥珀といつも一緒にいる、白いフクロウだった。

ずっとこちらを見てる、視線が怖かった。




―いや、琥珀ずっといるじゃん




蜜柑たちは心の中でそう思った。

「なんかあのフクロウ、名前が“あられ丸”って言うらしいよ〜。

“よろしく”だってさ」

心読み君の一言に皆、呆然。





「え、あられ丸って名前、ダサ」

と蛍。

「つうか名前あったんだ」

と棗。

「これだからええとこのおぼっちゃんはなあ〜」

と蜜柑。

その言葉にむっとしたのか、フクロウ、あられ丸は一直線に3人を攻撃し始める。

蛍は自分の発明器具で、棗は炎で自分の身を守ったから、対象は蜜柑だけだったけれど。

「わわわっ

こいつやっぱ琥珀やん。

言ったことわかっとる〜〜〜」

蜜柑は追いかけまわされながら、叫ぶのだった。







琥珀は結局姿を見せなかったが、なぜかみんな、あられ丸がいると落ち着かない。

隣の席のリンもずっと視線を感じていたし、流架はなぜかなつかれて肩にとまっていた。

時折蜜柑や棗がいたずらされていたが、あられ丸の逃げ足が速かった。





「やっぱ本体を燃やすべきだよな...」

棗も徐々にストレスを溜めるのだった。





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