▽初等部・男女主T
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「おいパーマ、今なら結界ゆるいままだ。アリス(直感と嗅覚)利かせろ」
「う...うん」
レオがこの場から去ったのを見計らい、棗が言った。
「.....人気はナシ......
あ、南方の......2つ先?....の倉庫から大量の火薬と薬品のにおいがするわ
......ダイナマイト?」
「....お前ら、俺が合図したら.....全速力であのドアに向かって走れ。」
棗の、何かを決意したような表情______
「「え......」」
蜜柑とスミレの声が重なる。
リンは静かに棗の話を聞く。
「逃げるなら......あいつらの気がそれた今しかない」
「ちょ.....何する気っ」
蜜柑は戸惑う。
「走ったら絶対止まるな。
誰か1人でも無事逃げ切ったら、なんとかして学園にここの居場所を伝えろ」
「まって、あんた走れる体とちゃうやん.....リンだって...」
息が上がり、辛そうな棗とリンをみて蜜柑は言う。
「俺らは何とかなる。
足手まといはお前らだ」
棗は強い口調で言う。
「レオの声フェロモン効かないように、私が結界を張る。
棗と私の2人だったらなんとかなる」
リンもまた、蜜柑とスミレを納得させるべく言った。
「......勝手にここまでついてきたんだし、放っていきたいのは山々だけどな。
さすがに売られるってなったら寝覚めわりーんだよ」
蜜柑とスミレは、言葉を失う。
これが力のあるものの言葉。
「....いくぞ」
「いけっ」
棗の声が響いた。
それを合図に、蜜柑とスミレは走り出す。
―よかった、素直なこたちで....
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