▽初等部・男女主T

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「.....レオが反逆者≠セったとは」

「これはうってかわってゆゆしき事態ですよ」

「......ということはこの事件、裏であの組織(Z)が糸を引いてるってことに」

「......これは一刻の猶予もありませんな」

職員室は騒然となり、教師の顔も険しさを増した。






そんな中、沈黙を破ったのは、

パ〜ンダパンダ〜♪ パンダのダンス〜♪

この場にそぐわない、陽気な機械音。

それは蛍が身に付けている通信用イヤーマフラーだった。

「はいこちら蛍です......ああ、蜜柑?」

その一言で、教師が驚かないわけがなかった。

「今井さんっ!?」

「.....何か外野がうるさいからかわるわね」

そう言って蛍は、鳴海にイヤマフを渡した。









「_____もしもし、蜜柑ちゃん?僕だけど聞こえる?」

「鳴海先生!!」

「今井さんから大方の事はきいたよ。

大変だったね。

4人とも無事?」

「棗とパーマは一緒におんねんけど、リンは奥のほうでレオと話してん。

一応、4人とも無事やけど....」

リンちゃんがレオと?

危害が加えられてないなら、彼女ならきっと大丈夫.......

「そっか.....じゃあ3人共、声出すのは危険だから、ここからは黙ってきいて」

職員室で、教師らが見守る中、鳴海は落ち着いた声でしゃべりだす。

「僕らが場所の特定を図る間、その手足を拘束してる縄だけど、

自力で引きちぎるか解くか、、、、

それが無理なら、―これはあまりいい案じゃないけど、棗君に無理してもらって火で縄を燃やすんだ。

弱ってる体には、かなり負担だろうけど.......

少量の火でいい。

棗君本来の力なら結界を壊すくらいたやすいハズだ」

ビビ.....バチッ

結界が壊れる音と共に、棗の手から炎が現れる。

「縄をはずした後、確実に逃げるチャンスが出来るまで、縛られたフリを続けるんだ」

棗は蜜柑の縄を解く。

かなりぐったりして、苦しそうだ.......

「それと2つ、重要な事がある。

1つは出来る限り自分のアリスを敵に明かしちゃダメだ。

もう1つは、一番重要な事。

何があってもレオの声を聞いちゃいけない。

もし聞いたら____」

そのとき、何の前触れも無く、イヤマフが蜜柑の頭からはずれる。





―え........











教師と蜜柑が通信を始めたころ、琥珀は学園から出るところだった。







数時間前、蜜柑とスミレの脱走で学園が騒いでいたころ、琥珀は冷たい瞳で言う。

「水無月、弥生、命令だ。

今すぐ蜜柑たちを追う手配をしろ」

「何言ってるんです、琥珀様!」

「蜜柑たちは脱走したんじゃない。

棗とリンが誘拐されたのを追っていっただけだ。

フクロウで追ったが間もなくアリスの使用範囲から外れる。

一刻を争う事態だ」

「何を言って、琥珀様...」

「僕の言ってることが信じられないとでもいうのか?

この、八神家の力をもつ僕の言うことが」

そう、琥珀がでたらめを言うわけがない。

この目は、本気だ。

本気で、怒っている。

「おじいさまには事後報告でいい。

すぐに動くぞ」





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