▽初等部・男女主T

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「初等部の生徒2名が脱走!?」

職員室はその信じがたい報告をきいて騒然となっていた。

「名前はっ!?」

そう言った神野の顔は険しかった。

「B組の.......正田スミレと佐倉蜜柑ですっ!!」

スターの車を興味本意で追いかけたと思っている神野の顔は、さらに険しくなった。

まさか、棗とリンが誘拐されているなど考えもしなかった。








その頃、蜜柑とスミレはレオの車を必死で追いかけていた。

途中、学園教師に捕まりそうになったが、

どこからともなくカラスの大群が現れ、教師たちを襲い、追跡を続けることができた。

流架の動物フェロモンのアリスのおかげだった。



スミレは犬猫体質のアリスを使い、蜜柑は蛍に貰った筋肉増強シップを使っていた。

しかし、2人の体力はもう限界に近かった.....





「なあ、あんたお金もってへんの?

いいかげんタクシー使って追うとか.......」

「持ってきてないわよ.....」

「じゃあ、そこらへんの人にお金借りるとか.....」

「そんなすぐ信じてくれるわけないでしょ」

「......ヒッチハイクで車追ってもらうとかさー」

「ダメよ!!!」

スミレの怒声が響く。

「もーーーっあーいえばこーいうーっ

いーやんか それくらいーーーーっっ」

蜜柑は反論する。

「あんたいい加減、アリスとしての自覚を持ったらどうなの!?」

スミレはさらに大きな声で怒鳴る。

その声に我に返る蜜柑。

「レオ達が十分怪しいってことはあんたも分かってんでしょ。

相手がどんなアリスを持ってどんだけ危険かもわからないのに、一般人を巻き込むなんてゆるされないわ。

言ったでしょ!私達はアリスなのよ!

普通の人間より選ばれた立場にいる分、負った責任も違うのよ」

蜜柑は黙りこむ。





―パーマはこんだけ考えてんのに、ウチったら何も考えんとグダグダ言って......

恥ずかしいっ......





「あっ 曲がったわよ」

その声に促され、自分を奮い立たせ曲がり角を曲がった........




キキキキキィィィィイッ!!!





―2人の意識が途絶えた。







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