▽初等部・男女主T
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―アリス学園の生徒には毎月、星階級別にお小遣いが支給されます。
スペシャル―3万円
トリプル―1万円
ダブル―5千円
シングル―3千円
そして星なし.........
―5百円。
悲喜交々はおいといて、この時期クラス中が買い物モード一色。
「よーしっ!今日は土曜だし、午後はセントラルタウンにくりだそーぜー!!」
『おーっっ!!』
みんなの声が重なる。
そんな中、蜜柑に浮かぶひとつの疑問......
「セントラルタウンって何ーーー!?」
その質問に答えたのは、委員長、ではなくて、めずらしく蛍だった。
それを蜜柑は、蛍にデートに誘われた≠ニ勘違いし、浮かれていた。
そして新しくできた友だちリンとも初めてのおでかけ。
浮かれないわけがないのだ。
しかし、
「星なしのお前がセントラルタウンに...?
却下」
その言葉は秒速で神野の口からでた。
「何でーーーーーっ!?」
愕然とする蜜柑。
「星なしの上にお前の様な問題児。
セントラルタウンに行けばきっと騒ぎでも起こすに違いない」
「うわーーーーーーんっ」
蜜柑は案の定泣き叫ぶ。
そんな中、
「まあまあ、神野先生」
蜜柑に手を差し伸べる人物が1人いた。
「彼女はまだ一度もセントラルタウンに行ったことないし、どうでしょう。
行かせてあげてみては」
「鳴海先生っ」
蜜柑はその救世主に頭の下がる思い。
「フン......よかろう。
ただし、条件付きだ」
やっとのことで神野の許可が下りる。
「お前のパートナーの同行をもってのみ、セントラルタウン行きを許可する」
「え、それって琥珀?」
琥珀なら一緒に行ってくれるだろうと、蜜柑は心を躍らせる。
しかし一緒にいた蛍や委員長は怪訝そうな顔をする。
そんな2人に気づくはずもなく、蜜柑は再び浮かれていた。
「それと、」
そこで神野は付け足す。
「五条、お前もまだ学園に来て日が浅い。
よって、パートナーの同行のみ、セントラルタウン行きを許可する」
「え..」
リンのパートナーといえば....
リンが反応するよりも早く、叫び声をあげた者がいた。
「NO−−−−−−−!!!!!」
リンのパートナーといえば、蜜柑の天敵、棗だ。
「いや私も願い下げなんだけど」
リンはため息をついた。
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