▽初等部・男女主T

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「みなさん!

もうすぐ文化祭シーズンがやってきますねー」

その鳴海の一言に、クラス中が盛り上がる。

その中にはもちろん蜜柑もいて、クラスメイトたちとはしゃいでいた。

「文化祭という場を通して、みんなで協力しあい、励ましあいながら、

普段交流のない人たちの一面を、この機会に知ったりすることで、

みんながより一層、多くの人と絆を深め合うことを望みます」

そう、鳴海は言い残して教室をあとにした。






―そういえば、先生あん時もこんなカンジの事ゆうてたような.........

蜜柑はというと、脱走未遂をし、鳴海の家に泊まった夜のことを思い出していた。





―アリスの子供達は、この学園で生活していく上でどうしたって一度は大人を.....

人を信用しにくくなる状況に置かれる事が多いから.......

だからこそ君にとって、仲間≠ヘ何より大切な存在なんだよ。

いろんなことを感じ吸収する子供の時に、共に笑い考え行動する.....

そんな仲間≠フ存在がいつか君にとって何よりの宝≠ニなる日がくるから.........







おじーさんの事は、僕がきっと何とかするよ。

―ウチの目を見て、しっかり約束してくれた.......

信じて待つって、きっと楽なことばかりじゃないと思うけど、人を疑うつらさに比べたらきっと、

何倍も何十倍も楽しい時間に決まってるもんね!





蜜柑は自分に言い聞かせ、前を向こうと決めていた。





ー蜜柑、君は強いよ。

琥珀もまた、あの時のことを思い出していた。

謹慎のとけた蜜柑とも、普段通り接する。

蜜柑は何か言いたげだったけど、言わずに、ただいつもの笑顔を向けてくれた。






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