▽初等部・男女主T

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学園教師、鳴海への暴力的な態度と暴言により、蜜柑に処罰が言い渡された。




食事抜きで監禁。

面会も不可。




さすがにやりすぎではと蜜柑に同情する人も多かった。




処罰を言い渡されてから、どれくらい経っただろうか。

蜜柑は未だに部屋の隅でうずくまっていた。




―コツン




窓に何か当たる音で、蜜柑は顔をあげる。

「え...」

そこにいたのは、流架だった。

動物フェロモンによって、大鷲にのってきたらしい。

「メシ......くってないんだろ。

今井や飛田が心配してたから。

これ....あいつらからの差し入れ」

流架は食べ物の入った袋を蜜柑に渡す。

そして、蜜柑をかわいそうに思いながらも役目を終えたので、入ってきた窓から出ていこうとする。

しかし、

「ウチ......じーちゃんに会いたい!

ウチのせいでじーちゃん病気にまで.......

一目でいいからじーちゃんに会いたい......っ」

蜜柑は流架に涙を流しながらすがりつく。

今は誰でもいい。

すがりつきたい思いでいっぱいだった。

この悔しさと悲しみを、どこにぶつけたらいいのかさえわからずにいた。

流架は、そんな蜜柑をほっとくことができなかった。







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