▽初等部・男女主T

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アリス学園に入学して、1週間とちょっと。

蜜柑は祖父からの手紙がこないことを嘆いていた。

見かねた蛍が、占いのアリスを持つクラスメイトに祖父の様子を占ってもらうことを提案した。

蜜柑はさっそく頼み込み、ドキドキしながらその結果を待つ。

そして、その結果に皆驚く。

少し離れて様子をうかがっていた琥珀も、「とうとう知っちゃったか」とため息をつく。




祖父は、今学園にきている





信じられないといった様子の蜜柑。

蜜柑は涙ながらに蛍に頼みこみ、結局蛍は蜜柑の涙に押され、根負け。

秘密衛星とやらで正門前の様子を蜜柑に見せるのだった。





『孫に、孫に一目合わせてくださいっ』

『こう毎日来てもらっても、あわせることはできないんです』

『せめて声だけでも.......手紙でもいいから孫と話を』

『電報でいきなり孫がアリス学園に入ったと知らされて、それ以来何の音沙汰も.....

孫は今どうしてるのか心配で夜も眠れず......』

『おねがいですから....』





蜜柑の目に映る祖父は、なんだか痩せて見えた。

夜も眠れず、歳も若くないのに遠方からわざわざきているのだから、体調を崩すのも無理もない。

「何コレ.....」

蜜柑は呆然とする。

リンも気の毒に思うが、何せ自分は家族という存在を知らないから、蜜柑の悲しみがどれほどのものか、うまく想像できなかった。

でも、ひとつだけわかることがある。

学園側が、そんな生徒の気持ちを踏みにじっているという事実だ。





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