▽初等部・男女主T

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「大方のみんなの期待を裏切って舞い戻ってきました!

佐倉蜜柑、正真正銘のアリスです!」







琥珀とリンが教室に入る前のこと。

棗が出した試験をクリアした蜜柑が自己紹介をしていた。

昨日までは、自分のアリスが何なのかもわからない蜜柑に不信感をもっていたクラスメイトたち。

しかし今日は、北の森から無事に帰ってきた蜜柑をアリスだと認め、心を開いているクラスメイトも多かった。







それでも、一筋縄でいくようなクラスでもなく、みんながみんな認めたわけではなかった。

「何よアレ。ちやほやしちゃって。

棗君があんな子と対決するわけないじゃない。バカバカしい!」








その頃廊下では、琥珀と棗が対峙していた。

「おう、日向」

「八神...」

リンは2人の険悪な雰囲気を感じとっていた。

ここで一戦始まりかねないとさえ思った。

日向と呼ばれた少年は黒猫の面をしていた。

この時点でリンには見当がついていた。

目の前にいるのは、その見た目の通りのコードネーム黒猫だった。

琥珀のように直接対峙はしたことがなかったが、裏社会でその名は知れていた。

学園の闇工作員としての知名度は高い。

そのアリスのパワーはすごいもので、様々な組織から目を付けられていた。

黒猫と目があった...気がした。

「ああそうだ。

リン、こいつもお前と同じ危険能力系。

日向棗だ」

少しの沈黙があった。

棗もまた、リンに何か感じているものがあるようだ。

同族、同種、同業....

それらに出会ったとき、琥珀の能力とはまた別の、嗅覚が働く。

ああ、同じだと、感じ取る。

「罰則か。

えらい殺気立ってるな」

琥珀のいうとおり、棗の身体は傷だらけだった。

「リンも気をつけた方がいい。

特にあの、芹生先生...ペルソナには」







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