▼高等部・男主U
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幼い詩は、自分の身に起きたことが理解できず、初めて会う祖父に馴染めないでいた。
祖父は、とある神社の神主をしていた。
長い白髪を後ろで結い、白いひげが特徴的な仙人のような風貌。
歳の割に元気な人だった。
「ママにあいたい....
いつになったら、ママはむかえにくるの?」
詩の毎日の口癖だった。
それに祖父は、
「しばらくはあえんのう」
と答え、掃除の続きをするのだった。
詩は1人神社で過ごし、式神を出して遊んでいた。
「じーじ、これ、なに?」
詩はある日、祖父に自分が自由自在に出せる式神を恐る恐る見せる。
これを見せると、母親も父親も気味悪がった。
一体これは何なのか.....
そんなに怖いものには、詩は見えなかった。
祖父も怖がるだろうか....?
不安がよぎった。
でも祖父はそれを見て、微笑んだ。
「それは式神≠ニいうんじゃ。
怖いものではない。
.....わしも、それを出せる」
そう言うと、祖父は詩と同じ白い人型の紙を出した。
祖父も、式神のアリスだった。
「これはさっきも言ったとおり、恐れるものではない。
でも普通の人にとっては、気味悪がられてしまうようじゃ。
わしの娘は特にそれを嫌っての。
しばらく疎遠になっとった。
でも、少し前に電話が来てのう。
お前を預かって欲しいと.......
自分の子どもまでそんな風に言うなんて悲しかったが、正直......嬉しかった。
こうやって孫と会えて。
それでも、子どもは親と暮らすのが一番じゃ。
わしが娘を説得する。
それまでしばらく、ここにいなさい。
そして、1つだけ覚えておきなさい。
その力は、決して隠す必要など無いんじゃよ」
そう言って、祖父は詩の手を握った。
詩は、まだよくわからないこともあったが、うんと頷いた。
それから、祖父との距離は縮まっていった。
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