▽初等部・男女主U


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「そろそろ教えろよ、俺たちどこに向かってんだ」

ひとまず切り抜け、みんなが息を切らす中、棗が言った。

みんな気になっていたそれに、琥珀が答える。





「生徒会室だよ」







想像していなかったそれに、みんな驚く。

「兄さん曰く、穴の在りかを示すノートと鍵をもっているやつがいて...」

「それってもしかして...」

流架は自分の想像している人物に、まさかと思う。

「ああ。

学園総代表の櫻野秀一と、副代表の今井昴だ」

「え...」

「どういうことだよそれ...」

翼も頭の中を整理できずにいた。

「僕も聞いたときはわけがわかんなかったよ。

でも、兄さんがそんな嘘ついてなんのメリットにもならないから信じた」

琥珀も全容は把握していないようだった。

「俺もさっきまで信じきれなかったけど、今裏がとれた」

「裏って...」

翼が言う。

「新聞部にツテがあってな。

そこでゴシップ系に強いやつが教えてくれたよ。

櫻野と今井の、不審な動向について...

遠目・遠耳のアリスをもってて、こと高等部の情報について異常にくわしいやつだ。

信憑性は高い」

殿内は続ける。

「大体、Zが学園に単独で侵入するなんて、どう考えてもおかしかったんだ。

けど、学園内に手引きする奴がいるとなると、話は別だ。

内通者の手引きで、Zはまんまと学園内に侵入したんだ」

ただの穴探しのつもりが、とんでもない厄介ごとになったと、殿内は思っているのだった。






―あの人が....Zの仲間....!?




―どういうこと.....!?






蜜柑の頭は混乱していた。

しかしそうと決まればもう、行くしかない。

その、疑惑の総代表と副代表のもとへ。




一行は琥珀の嗅覚と聴覚を頼りに周りの生徒をかぎ分け、今度こそ慎重に向かう。







リンもまた、学園への不信感をいだきつつ、少しずつモネへと近づいていることがわかり、はやる気持ちだった。








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