▽初等部・男女主U


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「で、さっきの話は本当なんだろうな」

殿内が、今目指している場所について琥珀に言った。

「ああ。兄さんからきいたからな」





翼は、あまり特力にこない殿内と、初等部の琥珀が慣れたように話していることが気になっていた。

それについては、2人が学園内よりも外の仕事で会うことの方が多いことにあった。








「てゆうかリン、お前若干目立ってんな」

殿内は、隣を歩くリンをみる。

リンは気づいていないようだったが、生徒たちが噂し始めていた。




「あんな子いたっけ?かなり美人....」

「どこのクラスだろ...」

「見ろよ。また殿内の女じゃん」





それには琥珀も気づいていて、

「殿、リンの隣を離れてくれるかな」

翡翠の笑顔はそのままに、怒りを読み取れるのだから逆に怖い。

「なんだよ俺は美女の隣を歩くことも許されないのか...っ」

殿内は仕方なく離れるも、なんだか翡翠とリンが並ぶ方が、目を引く気がした。





「え、あの子翡翠くんの彼女?」

「まさか、今まで彼女の噂すら立たない、スーパー平等みんなのアイドル系男子だったのにぃ!!」

「なによあれ...でも美男美女で...お似合いー?」





そんな噂を横目に、足を速める一行。

「お前も目立たせてんじゃねーかよ」

殿内はまだ腑に落ちない様子。

「当たり前だろ、八神家なんだから。

これ以上目立つなら、僕は兄さんの変態をやめて自分の姿で高等部生になるよ。

もう学校に入ったんだ、兄さんでいる必要はない」

なんだかさっきより不機嫌な気のする琥珀。





そんな2人の会話をさえぎって、リンが言った。

「ねぇ、蜜柑たち、様子がおかしいんだけど」

リンが指差す方向を見て、殿内は顔を引きつらせる。





「ば...っその道に入るな...!」

殿内が叫ぶがすでに遅かった。





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