△初等部男女主 (続)


□招待状(3p)
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「アリスって、なんだろうね...」

「すごい力っていうのは知ってるけど...」

「弟がアリスなら、お父さんも...そうなのかな?

...ねぇ、あられ丸...」





つんつん、とその頭をなでるが、あられ丸はまばたきを一度しただけだった。

ふぅ、と息を吐いたところでインターフォンが鳴る。

料理中だった母が、「ユキ、ちょっと出てきて」と呼びかける。

「はーい」と返事して、ユキは玄関に向かった。





玄関にいたのは、郵便局の人だった。

「五条 雪さん宛に、書留です。

ここにサインを」




私宛に...?




珍しいと思いつつ、ユキは手早くサインする。

「ありがとうございます」

と受け取って、郵便局員が扉を閉めるのを待たずに、母の元へ急いだ。




「おかあさーんっ

私に郵便がきたよー」




大きな声で呼びかけながら向かう。

「え...?

誰から...?」

母も気になったようで、ガスをとめ、手をタオルで拭きながらキッチンから出てくる。




「えっと...」

ユキは、差出人の欄をみて目を見開く。

「え...

...国立“アリス”研究機関、アリス学園、学園本部...?!」




長い名前を読み上げながら、ユキは驚いた。

母の顔をみると、さらに驚いた顔をしていた。

ユキは急いで中を確認した。





五条 ユキ 殿



貴殿は、アリスのさらなる理解を深めるプロジェクトの一環として、

アリスと、一般の学生との交流を目的とした

アリス学園の体験入学生として、一般生徒代表として選抜されました。




貴殿を、1週間アリス学園へ招待致します。




つきましては、参加の可否をご連絡ください。

なお、選抜の基準に関しては国家機密であるため、

くわしくはご説明できない旨をご了承いただけると幸いです。

厳正な審査の結果、貴殿がふさわしいと判断されましたので、

ぜひ積極的にご参加いただけることを、学園関係者共々、願っております。



国立アリス研究機関
アリス学園
学園本部 






...胸が、躍っていた。

心臓が、痛いくらいに速く打ち付ける。




「お母さん、これって...

アリスって...」



そう言って見上げた母の顔は、とても複雑そうだった____




ユキはただただ、弟のことを考えていた。

これに参加すれば、もしかしたら...

弟に、会えるかもしれない....!!





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