crown

□princess heart せかんど!
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このお湯が全てを流してくれるなら…














princess heart せかんど!















ラグナ『……。』



広いバスルームを見たのは初めてで、驚いた。

浴槽の中には既にお湯が入ってて…








くんくん














ラグナ『…良い匂い、だな…』

ほんのり柑橘系の香りがした。オレンジか何かの…俺好みの入浴剤だった

ラグナ『なんか…アイツまるで俺の事、全部知ってる様な?』


あたかも準備してましたと言わんばかりの…風呂に入れだ!

だったし…



ラグナ『とりあえず、入ろ…』



いろんな事が起こりすぎて、もぅ…なんか疲れた。そういう意味もふくんでハザマの野郎は風呂に入れって言ったんだろ


チラッと横目で扉を見つめた。


ラグナ『覗く…分けないか、念押ししたし』

ラグナ(覗き野郎だったら、ぶん殴るだけだ…)













ラグナ『ん〜…気持ちいい♪』


ヤッパリ疲れが溜まっていたようだ。

身体の芯からあったまる風呂は、やっぱ最高だな。


ラグナ『……。』


ふと、アイツの言葉を思い出す。

逃げ出せば、世界に侵攻します…。と

俺は、とんでもない野郎に出会ってしまったんだ…改めてそう思った。
この状況をどうにかする術もなく、ただ黙って見ているしか…俺には出来ないのかよ;

ラグナ『それに…』

それに思った…と言うか、初見で気付いた。魔王と名乗るハザマ…かなりの手練れだった。師匠に言われたっけ?
相手の力量をはかって、手を引くのもまた勇気だってな…

飄々としてるわりに…全くと言っていいほど隙が無い。


あれじゃ…俺一人では相手に出来ない事くらい分かる。


ラグナ『クソっ…完全にはめられた!』


無力な自分が情け無い。何も出来ないままなのか…俺は



ラグナ『…やっぱり、此処に残るしか無いのかよっ!』


なんかクラクラしてきた…ああ、逆上せちまったかな?

ラグナ『そろそろ上がろう…』


そう思い、浴槽から上がった瞬間ーーー















ガチャリ













ラグナ『Σ…!?』

ハザマ「ラグナ姫、此処にバスローブ置いておき…ま……?Σ!?」















グッドタイミングで、あの馬鹿が風呂の扉を開けたのだ。


ラグナ『#…まさか、マジで覗き魔だったとはなぁ…っ///許さねえっ!』

ハザマ「Σぶばぁっ」

ラグナ『きたねっ!…鼻血出すな#』

ハザマ「ああ…リアルでみると、もっとお美しいですラグナ姫www」


ラグナ『つか、さっさとローブ置いて出て行きやがれッ#』



ジロジロ見るなと言わんばかりに、ラグナは胸を隠しつつ手を出した。

ラグナ『早く渡せッ#』
ハザマ「…捕まえましたよ?」

ラグナ『ふぇっ?』



Σガシッ








ラグナはハッとしたが時既に遅し…



ラグナ『うおぉッ!?』


くるっ、ぎゅっ!



ハザマ「はい♪コレで見えませんよ?」






素早い奴の動きについて行けなかった。突然身体を引っ張られたかと思えば…バスローブで身体を巻き取られていたのだ


不機嫌そうにラグナは睨みつける

ラグナ『この変態魔王…#』
ハザマ「何時もさらし巻いて胸隠すなんて、勿体無いですよ?」

ラグナ『五月蝿い!邪魔だから巻いてんの』

ハザマ「邪魔じゃ無いですって…」

ラグナ『…えっ?』


ドキッとした。
そんな言葉…かけられた経験がない。ラグナは急に恥ずかしくなってしまう。


ハザマ「綺麗になりましたね?」
ラグナ『るさぃ…』


ふいっとそっぽを向けば、ハザマは頬にキスを落としてくる。

ラグナ『キスすんなッ!』

ハザマ「チューは嫌いですか?」

ラグナ『ち…違っ///』


ハザマ「じゃぁ…好き?」


うぐぐ…

ラグナ『そ…そんなの俺に聞くんじゃねーよ#』

ハザマ「あっははは…貴女以外に誰に聞けと?」
ラグナ『っ////…きッ、着替えるから…早く出ろっ///』


いつまで経っても自分を離そうとしないハザマにイライラしながら言えば、ひょいとある物を持ってハザマがバスルームから離れる


ハザマ「これは没収です」


ラグナ『ンナッ!俺のサラシを…返せよ#』


ハザマ「ダメです…せっかくの可愛い胸元が台無しになってしまいますからwww」


やっぱり見てやがった#


ラグナ『マジ死ねッ!』

風呂場にあった固形の石鹸をぶん投げたが、奴はあっさりと逸れを回避。

ヒラヒラと手を振りながら「部屋で待ってますよ〜」と、上機嫌でその場を立ち去ってしまった。

ラグナ『くっ////また…見られたッ#』

一度に限らず二度までも…なんて情けないんだ。俺は…;















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