crown

□BlackOut
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※ラグナが姉さんになってます。苦手な方はバックプリーズ!※

























(ちく、しょぉ…)





ぐらりと傾いていく躰。力を入れようとしてみたが…どうやら限界らしく、腕も脚も上がらず動いてくれない
瞼が重たくなってきた…。ヤバい…俺、死ぬのか…

死にたくない。
まだ、俺にはやることがあるんだ!頭では分かっているのに…無情にもラグナの躰は地へ墜ちる


その様子を一人の青年が見つめるだけだった









BlackOut








(ああ、死んだのかな…?)


体中が痛くて仕方なかった






先の戦いが終わり、俺はタオカカと共にイカルガの地へ出向いたのだが。タオの野郎にノエルの事話したら「ない人はタオが探してくるニャス」とかぬかして飛び出しやがった…。お陰で俺は一人で探す羽目だ…本当にツイてない

金無いし…腹は減るしで、オマケに月物……マジでテンション下がるわ…



そう肩を落としながら歩いていたときだ。背後に気配を感じて不意に振り返ると一人の青年が立っていることに気が付く



『なんか用でもあんの?』

「すまない、人を捜しているんだ」



青年は困ったように眉を下げて俺に尋ねてくる。全身が黒と白で統一された姿で、何より…漆黒の大剣が印象深かった


「死神…ラグナ=ザ=ブラッドエッジを捜してる」

『!』

「そう…お前さんをな?」




この男の特徴に覚えがある。ラグナは複数の統制機構支部を破壊していた時に聞いた名前を…


『…カグラ=ムツキ……』
「初めましてだな、死神さん」


黒騎士カグラの名前を…。



統制機構の最高司令官。その圧倒的な強さからブラックゲール…黒騎士って呼ばれてる野郎だ…マジで見るのは初めてだが


腰に下げている大剣にラグナは手をかけた。何時、ヤツがくるかは分からない。正直…こんな体調で化け物みたいな野郎に出会すなんて…ホントに凶運過ぎて泣きたくなる



「大人しくしてくれたら、手荒なマネはしないんだが…」

『お断りだ。アンタ等統制機構の人間を…俺が信用するとでも?』


アンタはあのカグラだ…。大人しくする訳ないだろ!


カグラと呼ばれた青年は困ったなと、小さく頭を掻いた。
初めてこの眼で死神を見て、理解した。コイツは修羅場をくぐり抜けた奴の瞳だ…しかも、かなりえげつないモンの
年は俺よりも若いだろうか?白銀の髪がふわりと揺れ、紅と碧の瞳が敵意に染まり睨みつけている


「まぁ…仕方ないか;」
『邪魔だ…どけッ!』


カグラよりも先に動いたのはラグナだ。

相手はあの黒騎士。相手が動く前に動いた方が言いに決まってんだろ!
大剣をカグラ目掛けて突き刺した、が…


『ッ…がぁッ!?』
「悪くない攻撃だが…見えているぞ?」


カグラは己の剣で俺の攻撃を弾き返してきた。攻撃を当てたつもりだが、地面に突き刺した大剣が邪魔をし…触れてはいなかった


「頼む…抵抗して欲しくない」
『…断るッ!』


「……だったら、丁重に言わせてもらう」



カグラは突き立てた大剣を引き抜いて、武器を構えた



「ラグナ=ザ=ブラッドエッジ…丁重に、捕縛させてもらう!」
『……!?』



「くらいなッ!」
カグラの構えた大剣。柄を正面に向けて直ぐだ
黒い波動球が俺目掛けて吹き飛んでくる。不意を突かれ判断に遅れた自分はモロに食らってしまい、怯んでしまう

『…ってぇ』
「遅いッ!」

『ッ…う、がぁぁッ!』



やべぇ…攻撃が、見えない…!

まるで黒い風に襲われているみたいだった。独特の武器の構えから、空中へ薙払われてしまう。辛くも受け身を取ったが、ダメージは想像以上に大きいようだ


クソ…。こんな体調じゃ、何時まで保つかも怪しいぜ…


そんな俺の様子にカグラは冷静に言ってくる



「頼む…こういうやり方は嫌いなんだ」

『五月蝿い!そっちがその気なら…俺も本気で行くぞ!』



一気に駆け出してヤツに一撃を入れたが、あっさりと受け止められてしまう。ガチガチと金属の擦れ合う音が次第に激しくなる


「……。」
『っ…そがぁ!』




〈なんだ…この違和感は?〉

カグラは妙な感覚に違和感を覚える。あのSS級の反逆者がどれほどの力を持つか小手調べをしたつもりだが…まるで小童だ。いや、これはむしろ…


〈まさか…〉



男にしては背が低い気がした。力も少ない。常に眉間にしわを寄せている顔で気が付かなかったが…




「お前……女、か?」
『!?』



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