短いはなし

□大将は鍋奉行!
1ページ/2ページ





指先が凍えて千切れてしまいそうな寒さだった。
しがない学生である俺は近所の猫どくろスーパーで
お買い得品を買いこみ、特に仲良い友人がいるわけでもないので、
一人鍋をつっつこうと思っていた。


勿論ほどほどの付き合いはきちんとしているし、
一人少し変りもだが友人もいる。

友人は上京してきたばかりの田舎者の俺を、田舎者と嘲笑いつつ
色々と手助けしてくれた。良い奴だなと思っているし、
周りの奴らには外面もいいことから俺だけには気を許してくれてるのかも?
とか、期待してみたり。来良大は良い所だが、いかんせん都会人が多くて
とまどうことが多いので奴の存在は俺にとってはでかいんだ。
だけれども彼はなかなかに冷たい奴だから、
俺が誘った所できっと鍋なんぞ食いにはこないだろう。

「まあ、折原は鍋とか似あわねえけどもな」




.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ