世界を担う決闘者〜過去編〜
□2話 古代の疾風龍
1ページ/6ページ
『くー君ー』
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
『くーくーん!!』
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
『・・・・・くー君ッ!!ねぇ、くー君ってば!!』
「Σえ・・・・・あ 悪い 何だ?ウィン」
もう日も沈んだ夜。
読書に集中していた紅音はやっとウィンに気がついた。
『もう・・・・・読書してると周りを一切遮断するんだから・・・・・
で 何の本読んでるのー?』
ウィンが横から覗き込む。
紅音が読んでいるのは10歳前後の子供が読むものとは思えない びっしりと文字で埋められたものだ。
「ウィン 疾風龍って知ってるか?」
『疾風龍?ドラグニティの皆さんじゃないの?』
「いや 疾風のドラグニティとは言うけどそれは違うぞ・・・・・」
『え?じゃあ何なの?』
霊使いであるウィンも知らないらしい。
だが、紅音は別に呆れる様子もなく無邪気な子供の表情で答えた。
「ずっと昔 古代から途絶える事なく吹きすさぶ疾風から生まれた龍・・・・・デュエルモンスターズの一体らしいが今だに見つかっていない 伝説の龍だ
その名はエンシェント・ゲイル・ドラゴン」
『エンシェント・ゲイル・ドラゴン・・・・・始めて聞いた』
「やっぱりかー・・・・・」
紅音は再び本に目を通す。どうやらその本には疾風龍の記述が書かれているらしい。
「見てみたいな・・・・・古代の疾風龍・・・・・」
そう呟く紅音の表情はまだあどけない子供だった。
『やはり・・・・・まだ子供だな 紅音も』
『だね 普段は結構大人びてるけど』
『それは・・・・・零夜や愛羅がいるからだろ?』
『それも一理あるだろうな』
『あら 皆さん』
カードから出てきたのは ドゥクス、ミスティル、ゲイボルグ、レヴァテインだ。
『他の皆さんはどうしました?』
『馬鹿 これで精一杯だ 紅音を潰す気か』
『あぁ〜・・・・・そうでした』
ドゥクスの答えにウィンは納得する。
まぁ、大きなドラグニティが3体出て来られるのだから十分広いのだが。